- 著者
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村上 真基
大石 恵子
綿貫 成明
飯野 京子
- 出版者
- 日本緩和医療学会
- 雑誌
- Palliative Care Research (ISSN:18805302)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, no.3, pp.219-227, 2018 (Released:2018-07-19)
- 参考文献数
- 21
【目的】療養病棟スタッフへの意識調査を通して,療養病棟緩和ケアの課題について調査した.【方法】介護職等を含むスタッフを対象に無記名自記式質問紙調査を行い,WHO緩和ケア定義の認知度,療養病棟緩和ケアの必要性と実現性,課題等について数字評価スケール(0:まったくそう思わない〜10:非常にそう思う)で尋ねた.【結果】30施設541名(医療職387名,その他154名)から回答を得た.緩和ケア定義を「知っている」は医療職56%,他職種45%,がん緩和ケアの必要性がある8.5±2.1(平均値),実現性がある6.8±2.5,非がん緩和ケアの必要性がある8.4±2.0,実現性がある7.0±2.2であった.がん・非がんともに,苦痛緩和・家族ケアは重要である,人員不足である,時間のゆとりがない等が8点以上であった.【結論】緩和ケアの必要性や重要性を高く認めつつも,多くの課題と困難感の存在が明らかとなった.