著者
星 貴之
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.100-106, 2015-09-18

音響浮揚は強力な超音波を発生させる装置が必要であることから,これまで研究所など限られた場所でのみ行われていた.本研究では,一般人にも購入可能な材料を用いた音響浮揚装置の実現を目指す.前報において,市販の超音波実験キットの駆動回路をそのまま使用し,超音波振動子を球面に配列することによって,ポリスチレン粒子を浮揚できることを示した.本報では,3D プリンタを用いて作製した球面アレイについて報告する.
著者
佐藤 大貴 三武 裕玄 長谷川 晶一
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.386-389, 2015-09-18

意図,感情の表現,コスプレといった自己表現,身体拡張を行う猫の尻尾デバイスを提案する.尻 尾の駆動方法として糸駆動はしなやかな動作で生き物らしさを表現する事が可能であると同時に,軽量な ため装着型のロボットとしても適する.一方で,細長いものを糸駆動しようとすると自重でねじれてしま い,意図した動作ができない問題を持つ.そこで曲がりやすくねじれにくい性質を持つメッシュチューブ を尻尾の芯の綿袋にかぶせて用いる.この機構により,猫のしっぽのように S 字曲線を描く動作が可能な 軽量の装着型ロボットを実現した.
著者
山田 太雅 棟方 渚 小野 哲雄
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.574-579, 2015-09-18

絵の制作支援を行う研究は盛んに行われている.一方,ユーザが描いた絵がどの程度「上手」であるかという,評価 に関する研究は数が少ない.そこで,ユーザが模写した絵に対して点数を算出するシステムを提案する.対象とする 絵は人物キャラクタの顔とし,システムは顔を構成する目などのパーツの特徴量を抽出する.そして,模写の対象と なる絵と,ユーザが描いた絵がそれぞれ持つ特徴量を比較することで絵の評価を行う.
著者
渡辺 亮 梶本 裕之
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.393-394, 2015-09-18

我々は皮膚表面に温度変化を提示することで上下方向の移動感や触力覚を生じる錯覚現象を発見し,その性質を研究 してきた.本現象では温度上昇時に上方向の移動感や膨張感を,温度下降時に下方向の移動感や吸引感を生じる.我々 はこの錯覚現象を利用し,直立した人間の左右それぞれの足裏に逆方向の移動感を提示することで段差や地面の傾き を表現できると考えた.本稿では足裏に温度変化を提示する装置を開発し,刺激温度の変化が生起する感覚や姿勢に どのように影響するのか検証した.
著者
白井 暁彦 鈴木 百合彩
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.452-457, 2015-09-18

エンタテイメントシステムにおける再現可能な実験や客観的な評価手法の確立は,本分野を科学研 究として発展させるために重要な研究である.本発表では特に,複数のエンタテイメントシステムにおけ る「おもしろさ」を物理的・客観的に測定するため,自然な体験環境で行うパブリックテストを成立させ るための同意書および実験運用方法,ガイドラインを提案する.
著者
香川 俊宗 手塚 宏史 稲葉 真理
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.326-333, 2015-09-18

音楽ゲームは計算機とプレイヤーが合奏し曲を完成させるもので, プレイヤーが演奏するパートを 原曲から分離・抽出し, プレイヤーのアクションを指示する譜面を作成することが難しいことが知られて いる. 本研究ではよい譜面の自動生成のための重要音抽出を目指す. 音楽の中で繰り返し現れるフレーズが 重要な部分であると考え,suffix tree を利用してフレーズを抽出する頻出頻度を利用した重要音抽出法を提 案・実装し,メロディ,ハーモニー,リズムそれぞれに適用し,譜面に使用する楽曲を構成し,ユーザーテ ストを行った.
著者
栗原 一貴
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.8-17, 2015-09-18

本論文では,ゲーミフィケーションの派生概念である Toolification of Games を提案する.「非ゲーム的文脈でゲーム要素やゲームデザイン技術を用いること」などと定義されるゲーミフィケーションでは,ゲームの知見を「後づけ」するために適切なゲームバランスと楽しさの実現が難しい点が問題であった.そこで,原則的には同じ定義に当てはまるものの,ゲームと非ゲームの大小関係,主従関係が逆であるようなケースとして,「既に完成されているゲームの余剰自由度の中で非ゲーム的目的を達成すること」を Toolification of Games と定義する.Toolification of Games にはブランド性,既習性,逃避可能性,自己表現性,物語性などの特徴があり,従来のゲーミフィケーションの問題を改善しうる可能性がある.我々は Toolification of Games と位置づけられる過去の事例を分析するとともに,三次元テトリスをプレイするだけで 3D プリンタ用の三次元モデルをデザインできる Tetris 3D Modeler,およびスーパーマリオブラザーズをプレイすることが募金活動につながる Coins for Two の開発事例を通じて,Toolification of Games の位置づけと性質,可能性を論ずる.
著者
伊藤 毅志 板倉 貴章
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.31-36, 2015-09-18

チェスや囲碁・将棋のような完全情報確定ゲームを題材にした認知科学研究として,様々なレベルのプレイヤごとの思考過程の違いを比較した研究が行われてきた.本研究では,「氷上のチェス」と呼ばれるほど高度な戦略的思考を必要とされるカーリングを題材にして,プレイヤの思考過程の研究を行った.カーリングは,将棋などとは異なり,不確定要素を含むゲームであるが,その思考過程について確定ゲームと違いがあるかどうかを,「次の一手問題」を用いた認知科学的実験から検証していく.
著者
大石 恵利佳 高下 昌裕 Khurelbaatar Sugarragchaa 梶本 裕之
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.95-99, 2015-09-18

視聴覚コンテンツの臨場感を高めることを目的として,身体の広範囲へ触力覚を提示する手法は数多く提案されているが,提示領域の狭さ,着脱の手間などの課題がある.我々はこの問題に対して,着用している衣服自体を牽引することにより衣服ずれを生じさせ,広範囲かつ簡易に触力覚を提示可能とする手法を提案する.本報告ではシステム構成および予備的な実験結果について述べる.

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著者
前田 将希 池上 陽一郎 久保田 彰 佐藤 文宏
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.390-392, 2015-09-18

日本のドラマや漫画で甘酸っぱい青春シーンの定番と言えば,自転車 2 人乗りである.誰しも一度は憧れるが,気恥 ずかしさに邪魔をされたり,そもそも道交法違反であったりと実行に移すのは難しい.そこで本企画では,腰に回さ れる腕,予期せぬスキンシップ,ドキドキを生む不安定なバランスという 2 人乗りの必須要素を自転車型装置で再現 し,擬似青春体験を提供することを目的とする.また,女性には本企画を通して男性が求める女性の理想像に触れて もらい,参考にしてもらうことを目指す.
著者
高橋 英之 伴 碧 佐武 宏香 遠藤 信綱 守田 知代 浅田 稔 下條 信輔
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.395-399, 2015-09-18

正弦波に応じてリズムを変動させる太鼓をたたくぬいぐるみロボットを開発,正弦波のパラメータがどのようにその ロボットとの被験者のリズムインタラクション(交互太鼓たたき課題)における主観的感覚に影響を与えるのかにつ いて調べてきた.その結果,リズムを決める正弦波周期が長くなればなるほど,ロボットが被験者に追従していると いう社会的感覚が生じ,その結果,ぬいぐるみロボットに対する親しみなどの主観的印象が向上することが示された.
著者
赤井 友紀 山下 諒 松下 光範
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.79-82, 2015-09-18

本研究の目的は,漫画特有の表現である漫符を利用してストーリを動的に変化させるディジタル絵本システムの実現である.漫符には多様な種類があり,キャラクタに豊かな感情表現を与えることができる.また,同じ種類の漫符であっても付与する位置や数によって表現の意図を変化させることができる.提案システムでは,こうした漫符の特徴を利用し,ユーザがキャラクタに付与した漫符に応じて異なるストーリを提示することができる.
著者
川畑 泰子 源田 悦夫 石井 晃
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.346-353, 2015-09-18

最近では Web 上での広告や, SNS を活用しパフォーマー自身やプロモーターの興行側 から, 公演や出版などの情報 を, 直接ファンや一般に Web 等で発信することが増えている.Web 上での情報をパフォーマーとともに主に情報を発 信するプロモーターとパフォーマーの情報を積極的に送受信するファンの間での情報のやり取りが Web 上でのパフ ォーマーに関する情報を増やし, 活動の方針のヒントにできた. また舞台公演やコンサート興行, テレビ出演などあ らゆるメディアを通した活動がパフォーマーに関する情報をWeb上で増加させる傾向もあるとわかった. 地方の劇団 でもこのような結果を得ることができることに着眼し, さらにWeb上のパフォーマーに関する情報を扱ってある特定 のジャンルで活躍するパフォーマーでも本手法の適応を行うことで, Web 上の情報を活用したパフォーマーの今後の 活動の方針に役立つ知見を得るための手法を提案したいと考えた. そこで, 本論では CD 発売の初回における告知の 反響と Youtube にて新曲のビデオクリップをプロモーションで公開した際のファンの反響における分析を行い, Web 上のパフォーマーのプロモーション方法の検討を行った.
著者
明神 聖子 島田 伸敬
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.440-443, 2015-09-18

近年,拡張現実感(AR)を用いて,演奏や作曲などの音楽表現活動を支援することが行なわれてい る.AR を媒介させることが,楽器や五線紙を用いた演奏・作曲活動にはないどのような意味を音楽表現 活動に与えるのかを総括的に知ることは,AR が本質的に人間に与える意味を考える上でも重要である. 本稿では過去の AR 音楽システムの事例を取り上げ,AR が音楽表現活動に与える意味について考察する.
著者
安齊 クレア 的場 やすし 椎尾 一郎
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.372-377, 2015-09-18

ペットの飼い主にとって,外出中のペットの様子は最も気がかりな要因のひとつである.そこで本研究で は,遠隔地から自宅の猫の様子をビデオ画面で確認しつつ,猫じゃらしを遠隔操作するシステムを開発し た.本システムの大きな特徴は,猫が猫じゃらしを捕まえると操作者の手にひっかかれた感触が伝わる点 である.操作者はマウスと一体化した痛み伝達デバイスを操作することで,遠隔地の猫じゃらしを操作し つつ,猫の反応に応じて痛みが伝わる.実際の猫の反応に連動した痛みによるフィードバックがあること で,ペットとの臨場感あふれる遠隔コミュニケーションを実現した.
著者
江添 正剛 三武 裕玄 長谷川 晶一
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.529-532, 2015-09-18

イラストを描く際,デッサン人形を参考にイラストを描く手法があるが,デッサン人形のとる姿勢 が人間にとって無理のないものになっているかはユーザーの知識に依存する.そこで,物理モデルを持っ たバーチャルデッサン人形を作成,姿勢を維持したときに全身にかかる負荷が少なくなるような関節角を 最適化計算により算出し,ユーザーがより自然な姿勢のイラストを描くための手がかりとして提案する.