著者
大貫 祐大郎 新垣 紀子 本田 秀仁 植田 一博
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第15回大会
巻号頁・発行日
pp.103, 2017 (Released:2017-10-16)

アンカリング効果とは、与えられた数値情報であるアンカーが、その後の数値推定に影響を与えることである。現在、アンカリング効果の発生原因は、アンカーによって異なる意味が活性化することだと考えられている。もし、異なる意味の活性化が原因であれば、アンカーとして数字を提示する必要はなく、異なる意味を活性化させるような刺激を提示すれば、アンカリング効果が観察されると予測される。本研究では、アンカーとして数字を提示する場合と、数字を提示せず、意味的情報のみを提示する場合とで、アンカリング効果の強さを比較した。その結果、数字を提示した場合に比べ、意味情報のみを提示した場合には、アンカリング効果の強さは微小であることが明らかになった。以上から、アンカリング効果において、数値情報が重要な役割を果たしていることが明らかになった。