著者
大野 公士 安達 文幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.17-25, 1996-01-25
被引用文献数
51

本論文では,送信電力制御に不完全性が存在するときのDS-CDMA上りリンク容量と平均送信電力との関係をスペース/パス(RAKE)ダイバーシチを考慮して解析し,簡単な計算式を導出した.スペースダイバーシチを用いると,送信電力制御時に瞬間的に大きな送信電力となることが避けられるので他セル干渉を低減でき,上りリンク容量を増大できることを示した.特に拡散帯域幅が狭く,1パス受信となるときにはスペースダイバーシチが必須であることも示した.CDMAではセルのセクタ化によってリンク容量を増大できることが知られているが,アンテナ指向性が他セクタにオーバラップする現実的なアンテナでは,隣接セクタからの干渉が存在する.そこで,アンテナ指向性も考慮した.導出した計算式を用いて,データ変復調にパイロットシンボル内挿補間QPSK同期検波を採用する場合について具体的に上りリンク容量と平均送信電力を計算した.最後に,シャドウイング相関の影響も考察した.
著者
東 明洋 太口 努 大野 公士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会秋季大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1994, no.1, 1994-09-26
被引用文献数
1

セルラーDS/CDMA方式では、容量と受信Eb/Ioとはトレードオフの関係にある。拡散の一部に符号化を組み込むCDMAでは、符号化レートに関係なく符号化利得分だけ容量増となる。本報告では、チャネル推定精度を向上させる判定帰還内挿型同期検波方式を提案し、送信電力制御下における特性を示す。更に誤り訂正と組み合わせることにより、高速フェージング下においても優れた特性を示すことを明らかにする。