著者
葛山 康典 大野 高裕 尾関 守
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会誌 (ISSN:03864812)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.371-376, 1993-12-15
被引用文献数
2

証券市場での資金運用方法を構築したH.Markowitzのポートフォリオ理論は, 多数の投資可能証券が存在する場合, その適用が困難であることが指摘されている.本研究では, ポートフォリオ理論において, 収益率の分布パラメータである平均収益率と分散・共分散が一般には推定量であることに着目し, より簡易に投資方法を決定するためのモデルを提案する.すなわち, サンプル時点数が所与の場合, 分散共分散行列のランクを考慮し, 空売りの存在下で高速に有効フロンティアをもとめるモデル, および各時点での次期の市場指標収益率を, バックテストの意味で予測可能な証券を投資対象にすることにより, 投資対象証券数の増加を抑制するモデル, の2つのモデルを提案する.