著者
天野 美紀 上原 邦昭 熊野 雅仁 有木 康雄 下條 真司 春藤 憲司 塚田 清志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.915-924, 2003-03-15
被引用文献数
11

映像の編集とは,素材映像の中から編集に用いることができるショットを選択し,それらを接続する作業である.これらのショットの接続の仕方は無限に存在する.しかし,作者側の意図することを視聴者に正確に伝えることを目的として編集した場合,ある普遍的な規則が存在する.これを「映像文法」と呼ぶ.本稿では,編集作業を支援することを目的として,映像文法に基づいた自動編集システムを提案する.本システムでは,まず,素材映像からショットの切り出しと,切り出した個々のショットに対して属性値の付与が行われる.次に,映像文法をルール化したプロダクションシステムを用い,推論を重ねることによって,属性値を付与された素材映像集の中から適切なショットを選択し編集を行うようになっている.The video editing is a work to produce the final video with certain duration by finding and selecting appropriate shots from material videos and connecting them.In other to produce the excellent video,this process is generally conducted according to the set of special rules called ``video grammar''.In order to make video grammar applicable,the metadata such as shot size or camera work included in shots have to be extracted and indexed.The purpose of this study is to develop an intelligent support system for video editing system where these metadata are extracted automatically and then the video grammars are applied to them.
著者
熊野 雅仁 天野 美紀 有木 康雄 上原 邦昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.369, pp.1-6, 2004-10-14
被引用文献数
5

本論文では,編集を意識した映像撮影を支援,教示することを目的として,映像文法を背景とするリアルタイムカメラワーク判定に基づいた撮影ナビゲーションシステムを提案する.カメラワークの解析法についてはいくつかの研究が行われているが,本システムでは,カメラワーク解析のリアルタイム性が要求されるため,処理速度が速く,また,手ぶれやカメラワークの安定性を十分に検証できる方法として投影法を用いた手法を採用した.カメラワーク解析により出力された結果からショット検出を行い,ショットを14通りの状態に分類し,編集には使用できない使用不能区間の表示,また,映像文法に従って編集に最も適した映像区間の表示を行う.これにより,撮影者は効率的に取り直しの作業を行うことができ,また,撮影した映像で編集に適した部分を瞬時に把握することが可能となる.