著者
堀口 敏宏 太田 康彦 森下 文浩 井口 泰泉
出版者
独立行政法人国立環境研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

イボニシから脊椎動物のRARとアミノ酸配列の相同性が比較的高いRAR様配列(イボニシRAR)が単離された。All-trans レチノイン酸(ATRA)添加時のウエスタンブロットにより、イボニシRARタンパクは発現したが、転写活性は誘導されなかった。イボニシRARとヒトRARαのリガンド結合部位を融合させATRA, 9-cis レチノイン酸, 13-cis レチノイン酸, All-trans レチノール添加時でもイボニシRARの転写活性は誘導されず、イボニシRARのDNA結合部位をヒトRARαリガンド結合部位と融合させると転写活性が誘導された。イボニシRARとRXRは相互作用すると考えられた。
著者
堀口 敏宏 太田 康彦 井口 泰泉 森下 文浩
出版者
独立行政法人国立環境研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

イボニシ(Thais clavigera)を中心に、RXRに関する生物学的特徴と、ペニス及び輸精管の分化・成長・形態形成との関係を解析した。イボニシRXRには2つのアイソフォームが存在し、両者で転写活性能が異なること、並びに9-cisレチノイン酸(9cRA)、トリブチルスズ(TBT)及びトリフェニルスズ(TPT)により転写活性の誘導がみられることなどを明らかにした。イボニシとバイ(Babylonia japonica)における生殖腺の分化及び生殖輸管の発達を組織学的に調べ、明らかにした。イボニシの神経ペプチドに関する基礎知見を得た。イボニシとバイにおける脊椎動物様ステロイドの検出を試みるとともに、ステロイド受容体が見出されないこと、アロマターゼ阻害剤とテストステロンでインポセックスの発症・増進が見られないことを明らかにした。