著者
太田 淳子 小澤 浩之 愼 宏太郎
出版者
昭和大学・昭和歯学会
雑誌
Dental Medicine Research (ISSN:18820719)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.170-174, 2008-11-30 (Released:2012-08-20)
参考文献数
7

患者は初診時年齢24歳6か月の女性.左側第一小臼歯から第二大臼歯まで連続する片側性鋏状咬合と著しい叢生を伴うAngle II級1類症例であった.治療としては, 上顎の歯列弓幅径の縮小と下顎歯列弓幅径の拡大により左側の鋏状咬合の改善を行った.その際, 上顎は歯列弓縮小用のポーター型装置, 可撤式スライディングプレートおよびアーム付きリンガルアーチを順に使用し, 下顎はポーター型拡大装置を使用した.これらの装置は, 片側性鋏状咬合であることを考慮し左右で異なるforce systemになるようデザインに工夫を施した.左側大臼歯の咬合が回復した後はパラタルアーチ, cross elasticsおよびヘッドギアを使用し, 左側の咬合の維持と安定に努めた.また, 上顎両側第一小臼歯および下顎左側第二小臼歯を抜去し治療した.その結果, 機能的な咬合の安定と個性正常咬合を得ることができた.
著者
藤井 彩乃 渡邉 佑奈 太田 淳子 桑原 晶子 宮脇 尚志 田中 清
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.9-17, 2014 (Released:2014-03-03)
参考文献数
13

近年, 肥満者が増加傾向にあり深刻な問題となっているが, 食事による減量の実践のためには対象者が主体的に食習慣・食行動の問題点を理解し, 実行することが必要である。また肥満解消のためには知識を提供するだけではなく, 管理栄養士など専門の知識や技術を持った者が, 対象者の現段階の正しい変容ステージを見極め, それぞれのステージに合わせた支援をすることが求められている。そこで人間ドック受診者を対象に食品の摂取頻度状況等を横断的に調査し, 食品摂取行動に影響を及ぼす因子の検討を共分散構造分析 (SEM) にて行った。結果, BMI 25.0 kg/m2以上群 (肥満群) においては, 食事改善の意識はあるが実行に移せていない可能性が考えられた。さらに食品摂取行動に対して, 健康面より嗜好が大きく摂取頻度に影響していることが推察され, 効果的な栄養指導を行うためには食行動を規定する食習慣, 特に嗜好を考慮することの必要性が示された。