著者
太田 碧
出版者
法政大学大学院
雑誌
大学院紀要 = Bulletin of graduate studies (ISSN:03872610)
巻号頁・発行日
vol.88, pp.14-22, 2022-03-31

オタクを取り巻く環境や在り方は変化している。本研究では,趣味とし愛好する対象によってオタクをマンガオタク・アニメオタク・キャラクターオタクに分け,各オタクのコンテンツへの態度・行動によってその形態が分類可能かを検討した。因子分析の結果,マンガオタク尺度とアニメオタク尺度はいずれもおおまかに読書・視聴について,積極的ファン行動について,コンテンツへの共感についての3 因子に分類された。キャラクターオタク尺度はキャラクターへのファン活動と消費,二次元好き,外見的魅力と憧れの3因子に分類された。これらはマンガやアニメとの接触頻度やオタク自認度とも相関があり,特にアニメオタク自認度と各尺度の因子にはすべて正の相関が見られた。またマンガ読書冊数とマンガオタク自認度,アニメ視聴分数とアニメオタク自認度に正の相関が見られた。オタクが愛好するマンガ・アニメとの関わり方や楽しみ方は一様ではないことが示された。