- 著者
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乗原 隆
加藤 譲
奥村 修造
小林 智
山本 光雄
池永 哲二
出口 隆志
平田 正
- 出版者
- The Japanese Society for the Study of Xenobiotics
- 雑誌
- 薬物動態 (ISSN:09161139)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, no.6, pp.887-897, 1991
- 被引用文献数
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KW-2228およびrhG-CSFを,10μg/kgカニクイザルに静脈内および皮下投与時の血漿中動態,白血球数増多作用について検討した.また,反復皮下投与についても検討した.<BR>1.KW-2228を単回静脈内投与により,末梢血白血球数(WBC)の著明な増加が認められた.WBCは,投与後12時間に最高値,投与前の約2倍を示し,24時間後においてほぼ投与前値まで回復した.一方,単回皮下投与においては投与後12時間に最大に達し,投与前値の約4倍を示した.反復皮下投与では投与を重ねるに従い,WBCは上昇し,10日目の12時間値では初回投与前の約6倍を示した.白血球の上昇は主に分葉核好中球の上昇によるものであった.rhG-CSFについても同様なWBC増多作用が認められ,KW-2228と有意な差は認められなかった.また,赤血球数および血小板数には大きな変動は認められなかった.<BR>2.血漿中KW-2228は,静脈内投与後二相性に消失し,このときの半減期は0.43±0.09時間(%alpha;),1.34±0.35時間(β)であった.rhG-CSFもKW-2228と同様に二相性の消失パターンを示したが,αおよびβ相の半減期はそれぞれ0.40±0.04,1.11±0.05時間であり,KW-2228に比較し短いものであった.<BR>3,血漿中KW-2228およびrhG-CSFは皮下投与後,共に2時間にC<SUB>max</SUB>13.20±3.76,8.37±2.81ng/mlを示し,その後一相性に消失した.このときKW-2228濃度は2,6,8,10,12時間においてrhG-CSF濃度に比べ有意に高く,1.5~2倍の血漿中濃度を示した.KW-2228およびrhG-CSFの消失相の半減期はそれぞれ2.03±0.64,1.34±0.49時間であった.<BR>10回反復投与後の血漿中KW-2228のC<SUB>max</SUB>は,初回投与に比べ約2/5に減少し,半減期も約2/3と短いものであった.また,AUCは初回投与の約1/4であった.rhG-CSFについてもほぼ同じ傾向であった.反復投与後の血漿中濃度においては,KW-2228とrhG-CSFの間に差は認められなかった.