- 著者
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奥村 康昭
遠藤 修一
- 出版者
- The Japanese Society of Limnology
- 雑誌
- 陸水學雜誌 (ISSN:00215104)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.2, pp.103-112, 2003-08-20
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
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ブイ式の気象ステーションを設計・製作し,琵琶湖北湖南部の北小松沖に設置した。観測した項目は,風向・風速・気温と水温か湿度である。データはMCA無線で研究室まで伝送される。観測期間は1998年から2001年の4年間であるが,漁船の当て逃げや,基地局への落雷,太陽電池の能力不足によって,かなりの欠測がある。<BR>全観測期間の平均風速は3.0m s<SUP>-1</SUP>であり,同期間の彦根気象台の平均風速(2.7m s<SUP>-1</SUP>)の1.1倍である。<BR>月平均風速は1月~3月が大きく,6月が一番小さい。彦根と同じく北西と南東の風が卓越する場合が多いが,南~南南東が卓越することもある。<BR>湖上の気温の年較差は33.3℃であり,彦根の同期間の年較差41.3℃より小さい。また,日較差の年平均値は4.9℃であり,湖外の値よりかなり小さく,湖による気温変化に対する緩和作用を示している。<BR>2001年の相対湿度の年平均値は75%であり,彦根の71%より少し大きくなっている。簡単なセンサーで比較的精度良く測定できたと考えられる。