著者
水野 淳太 後藤 淳 大竹 清敬 川田 拓也 鳥澤 健太郎 クロエツェー ジュリアン 田仲 正弘 橋本 力 奥村 明俊
雑誌
情報処理学会論文誌コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21865728)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.106-120, 2016-05-24

我々は,災害時にTwitterに投稿される膨大な情報を効率良く検索するために対災害SNS情報分析システムDISAANAを開発し,スマートフォンおよびPCで誰もが利用可能なWebアプリケーションとして試験公開している.本稿では,まず先行システムについて説明し,その問題点についてまとめる.次に,それらの問題をDISAANAがどのように解消するかを説明する.特に,不適切な回答候補の抽出を回避するために導入したモダリティ解析について詳述する.評価実験では,東日本大震災時のツイートに対して,人手で構築した192問の質問とその回答からなる評価セットを用いて本システムの評価を行った.評価の結果,先行システムに比べてF値が7ポイント改善した.エラー分析結果に基づいて,今後の改善方針について考察する.さらに,自治体で実施したDISAANAの有用性検証実験の結果についても報告する.
著者
水野 淳太 後藤 淳 大竹 清敬 川田 拓也 鳥澤 健太郎 クロエツェー ジュリアン 田仲 正弘 橋本 力 奥村 明俊
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21888604)
巻号頁・発行日
vol.2015-CDS-14, no.14, pp.1-13, 2015-09-24

我々は,災害時に Twitter に投稿される膨大な情報を効率よく検索するために対災害 SNS 情報分析システム DISAANA を開発し,誰もが利用可能な Web アプリケーションとして試験公開している.本論文では,これまでに行ってきたシステムの改善ならびに不適切な回答候補を抽出する事を回避するために新たに導入したモダリティ解析,ツイート属性判定,予報表現抽出について議論する.その上で,これまで東日本大震災関連の災害情報のみで行われてきた本システムの評価を,台風や大雪といった一般的な災害にまで拡張し評価を行う.その結果,さらなる改善の余地が残されているものの,実用可能な性能に達していることを確認できた.
著者
奥村 明俊 星野 隆道 半田 享 西山 雄吾 田淵 仁浩
雑誌
研究報告コンシューマ・デバイス&システム(CDS) (ISSN:21888604)
巻号頁・発行日
vol.2017-CDS-19, no.19, pp.1-8, 2017-05-18

近年,転売を目的としたイベントのチケット購入やダフ屋行為が増加しており,本人確認が今まで以上に重要となっている.チケットの本人確認の課題は,大規模イベントにおいて入場者のなりすまし防止と確認作業の効率化を両立することである.我々は,この課題の解決に向けて顔認証による本人確認システムを開発し実用化してきた.本人確認システムは,20 以上の大規模コンサートで活用され,なりすまし防止に効果を発揮している.このシステムは,チケット購入時に登録された購入者の顔画像とイベント入場時の入場者の顔画像を照合し,購入者と入場者が同一であることを確認する.顔認証による本人確認システムでは,イベント係員が入場者を静止させてチェックインや顔認証を実行し,一人あたり平均 7 秒で本人確認を行っていた.本論文では,より効率的な本人確認を実現するために,入場者が顔認証のために立ち止まることなく歩行したまま本人確認を行うノンストップ顔認証システムを提案する.歩行中の入場者は,横を向いたり目を閉じたりするなど顔認証に不向きな状態で撮影されることが多い.提案システムは,入場者を 2 つの異なるカメラで撮影し 2 種類の画像と登録画像を照合して顔認証を行うことで,歩行中の入場者の高精度な顔認証を実現した.提案システムは,アイドルグループのコンサート入場者 4226 名の本人確認に活用され,顔認証精度は 91% である.本人確認から入場までの時間は,顔認証に成功した場合一人あたり平均 2.5 秒,顔認証が成功せずに係員が目視で確認した場合も含めて一人あたり平均 2.8 秒である.従来の顔認証システムによる本人確認と比べて確認時間を 60% 削減した.
著者
奥村 明俊 石川 開 佐藤 研治
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.77-93, 1998

クロス言語検索手法GDMAXは, 日本語入力から英語ドキュメントの検索を可能にする. GDMAXは, 対訳辞書によって入力キュエリから翻訳キュエリ候補を生成し, キュエリからそれぞれの言語のコーパスにおけるキュエリタームの共起頻度を成分とすそ共起頻度ベクトルを生成する. 入力共起頻度ベクトルと翻訳共起頻度ベクトルとの距離によって, 翻訳キュエリ候補をランキングし, 上位の英語キュエリ集合を検索キュエリとする. この手法によって, 一つの対訳だけでなく適切な複数の訳語集合を英言語キュエリとして得ることができる. ウォールストリートジャーナルやAP通信など2ギガの英語ドキュメントについて適合率と再現率で評価したところ, 理想訳と比べて約62%の精度を得て, 対訳辞書のすべての訳語候補を用いる場合と比べて12%, 機械翻訳による訳語選択と比べて6%高い精度を得ることができた.
著者
赤峯 享 奥村 明俊 村木 一至
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.44, pp.261-262, 1992-02-24

日本人が英文を作成する場合、どの単語を使えば適切か、綴はどうだったか、活用形は正しいか等、その過程で発生する疑問点を和英辞典を引くなどして、日本語の知識を利用しながら解決していく。従って、日本語を入力して適切な英語を簡単に得ることができれば、英文を作成する場合の大きな支援となる。筆者らは、これまで、日本人が英文を作成する場合の疑問点や、英文を作成する場合に計算機で支援できる機能を考えてきた。しかしながら、これらの機能をユーザに提供するためのインタフェースが適切でなければ、実際に効率的に英文を作成することはできない。本論文では、英文を作成する場合に、文章作成の流れを妨げることなしに、日本語入力によって英文の作成を支援するためのユーザ・インタフェースについて提案を行う。