著者
長田 拓哉 小澤 龍彦 奥村 知之
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

1、アスナロ精油による抗腫瘍効果:アスナロ精油を胃癌、食道癌、大腸癌、乳癌細胞株とそれぞれ反応させたところ、いずれの細胞株に対しても濃度依存的、時間依存的にアポトーシスを誘導した。腹腔内に胃癌細胞を投与したヌードマウスにアスナロ精油を吸引させたところ、コントロールと比較して腹膜播種転移が有意に抑制された。2、アスナロ精油における抗腫瘍メカニズムの解明:アスナロ精油を分画し、ツヨプセンを同定した。ツヨプセンは抗腫瘍効果を有し、癌細胞にアポトーシスを誘導することを確認した。またツヨプセンが癌細胞内でPKM2と会合することを明らかにした。
著者
奥村 知之 塚田 一博 嶋田 裕
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

食道癌細胞株にmiR-203発現ベクターを導入したところp63発現増強を伴うp75NTR陽性細胞数は増加した。p75NTR陰性細胞ではp63が減弱しインボルクリンが増強した。コロニ―形成能は低下しマウス皮下移植腫瘍は有意に縮小し重層扁平上皮構造を示し中心に基底膜分子ラミニンとp75NTRの発現を認めた。食道扁平上皮癌細胞株においてmir203導入によりp75NTR陽性細胞の自己複製が維持されつつ分化が誘導され腫瘍抑制効果を認めた。mir203導入により癌幹細胞の悪性度が低下した可能性が考えられ、癌幹細胞を標的とした新規治療への応用の可能性が示唆された。