- 著者
-
奥谷 孝司
- 出版者
- 日本マーケティング学会
- 雑誌
- マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.1, pp.120-137, 2018-06-30 (Released:2018-12-14)
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
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近年ドラッグストアの市場拡大が顕著である。活発なM&A(企業の合併・買収),食品の取り扱いに見られる品揃えの強化,調剤薬局市場の取り込み,PB商品開発,ロイヤルティプログラムの充実,消費者のワンストップショッピングニーズへの迅速な対応で,高齢者や幅広い女性顧客層を他業界から取り込んでいる。そのような中,自社のリブランディングとリージョナルマーケティング,積極的なインバウンドニーズの取り込み,AI, IT活用によって独自の顧客基盤運営と新規事業開発で全国から注目を集める北海道を基盤とするドラッグストア(株)サッポロドラッグストアー(以下,サツドラ)の取材を行った。本ケーススタディにより小売業における新しいビジネスモデル構築とマーケティング戦略において以下5点の示唆が見出された。1)地域循環型顧客関係管理プラットフォーム構築の重要性,2)地域小売業がリージョナルマーケティングにおいて果たすべき役割,3)販売チャネル「場」の新しい価値創造,4)Customer Engagement構築の重要性,5)地域コミュニティ・マーケットにおけるCollaborative Consumption(共創消費)構築の可能性