著者
孝口 裕一 山野 公明 八木 欣平 奥 祐三郎 松本 淳 浦口 宏二
出版者
北海道立衛生研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

イヌの抗多包条虫ワクチンの開発は将来的に飼いイヌからヒトへ、あるいは終宿主動物の感染率を長期的に下げる有力な手段になる可能性がある。一方、イヌに感染と駆虫を繰返すと部分的な感染抵抗性を示すという報告があり、再感染によって誘導される虫体排除機序を解明することはワクチン開発を行う上で重要であると考えられる。本研究ではイヌに多包条虫を繰返し実験感染させ、従来の糞便検査に加え、分子生物的な解析を行うことにより主要な虫体排除機序の一端を明らかにした。また、繰り返し感染により感染抵抗性を獲得したイヌの虫体排除能は短期的に消失せず、イヌの抗多包条虫ワクチン開発の可能性を裏付けた。