- 著者
-
宇多川 隆
- 出版者
- Brewing Society of Japan
- 雑誌
- 日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
- 巻号頁・発行日
- vol.107, no.7, pp.477-484, 2012 (Released:2017-12-12)
- 参考文献数
- 7
- 被引用文献数
-
1
7
魚醤は魚を塩漬けにして,発酵される伝統的な調味料であり,その製造には約1~3年の長期間を要する。近年,タンパク質分解酵素製剤や麹を添加する方法が開発されているが,微生物汚染を避けるために食塩の添加は必須であった。著者は高温条件(55℃)において,微生物汚染を回避し,かつ,食塩阻害によるタンパク質分解酵素の阻害を回避するために,食塩無添加でサバ魚醤の発酵期間を15時間前後と大幅に短縮でき,ヒスタミン生成菌の汚染も回避でき,ヒスタミンの生成が10~20ppmに抑制できる速醸法を開発したので,解説頂いた。