- 著者
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田﨑 典子
鍬塚 大
東 美智子
鍬塚 さやか
鈴木 貴久
波多 智子
宇谷 厚志
- 出版者
- 日本皮膚科学会西部支部
- 雑誌
- 西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
- 巻号頁・発行日
- vol.79, no.1, pp.19-23, 2017
71 歳,男性。2010 年 7月,再発性多発軟骨炎を発症し,内科でプレドニゾロン 20 mg/day の内服治療が開始された。2012 年 3 月,<i>Mycobacterium intracellulare</i> による肺非結核性抗酸菌症を発症し,プレドニゾロンに加え,3 剤併用療法が開始された。2013 年 8 月,発熱と皮疹が出現し皮膚科を紹介された。皮疹は無痛性の 2 cm までの紅色結節で,頚部,上肢,体幹に散在していた。病理組織で真皮浅層から脂肪織にかけ好中球を主体とする密な細胞浸潤を認めた。一般細菌培養,真菌培養,抗酸菌培養はすべて陰性であった。以上より皮疹は Sweet 病と診断した。貧血と血小板減少のために行った骨髄穿刺にて骨髄異形成症候群も同定され,最終的に再発性多発軟骨炎と骨髄異形成症候群を合併した Sweet 病と診断した。 プレドニゾロンを増量,ステロイドミニパルスを行うも効果は一時的で浸潤性紅斑,結節の出没を繰り返し,2014 年 1 月に永眠した。本症例では約 4 カ月の間に臨床的には多彩な皮疹が出現したが,病理組織像はいずれも真皮から脂肪織に至る好中球浸潤であった。このように再発性多発軟骨炎,骨髄異形成症候群,Sweet 病の 3 者を合併する症例は過去にも報告されており,これらの症例につき文献的考察を行った。