著者
安原 盛明
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.309-314, 2015-11-30 (Released:2017-05-23)
参考文献数
11

日本生態学会鹿児島大会の「国外で研究職に就くには(2)」フォーラム(2015年3月20日)における筆者の講演内容について記す。具体的には、まず簡単な自己紹介をし、私の古生態学的手法を用いた海洋生態系史研究及び自身の研究半生[日本での学生・院生時代、アメリカ合衆国でのポスドク、香港でのPI(研究室主催者)]について概観し、最後に「国外で研究職(ポスドク、PI)に就くには」について主に私自身のアメリカ合衆国と香港での経験を元に議論する。あくまで私の個人的経験に基づく、標本数1の話だが、皆さん、特に現在学生やポスドクの方々、に多少なりとも有益な情報源になれば幸いである。
著者
安原 盛明 入月 俊明 吉川 周作 七山 太
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.108, no.10, pp.633-643, 2002-10-15
被引用文献数
5 23

大阪平野南部の堺市で掘削されたボーリングコアから採取した33試料中から少なくとも72種群の貝形虫化石が産出した.クラスター分析の結果これらの試料は大きく6個のbiofaciesに区分された(PS,SBm,LS,PL,CL,LC).本研究では完新世における堆積環境と相対的海水準の変化を貝形虫群集に基づいて復元した.大阪平野南部では,約9,000-6,000年前(暦年)に急激に海水準が上昇し,その後,現在の海水準まで下降した.最高海水準期は約6,000-5,600年前(暦年)であった.この海水準変動の傾向は大阪平野中央部や大阪湾海域での海水準変動によく類似しているため,これらの傾向は大阪堆積盆地で高い普遍性を持つと考えられる.また,塩分濃度,海岸線からの距離,沿岸流や波浪による影響は相対的海水準変動と良く対応して変化する.