著者
伊達 拓紀 安川 健太 馬場 健一 山岡 克式 曽根原 登
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.628, pp.255-260, 2006-02-23
参考文献数
9
被引用文献数
1

近年,ストリーム型通信の普及に伴い,IP網においても受付制御の必要性が高まっている.筆者らはこれまでに,新規到着フローを一時収容し,一定期間後に輻輳の有無を確認することにより受付制御を行う,パケット交換網ならではの受付制御方式,TACCS (Tentative Accommodating and Congestion Confirming Strategy)を提案している.TACCSでは,CDA (Congestion Detection Agent)から広告されるパケット損失情報を基にフロー収容可否決定を行うため,網内のボトルネックとなり得る箇所にCDAを配置する必要がある.しかし,コアノードへの機能追加なしで同等の性能が実現できれば,その導入コストを低く抑えられる上,TACCSのスケーラビリティの向上を実現することが可能である.そこで本稿では,CDAを配置せずに,エッジノードの連携のみで網内の輻輳に対する受付制御を実現する,Edge-based TACCSを提案する.計算機シミュレーションによる評価結果から,Edge-based TACCSは,コアノードの機能追加を必要としないにも関わらず,従来のTACCSに対して遜色ない性能を実現可能であることを示した.