著者
浜田 智哉 今井 千尋 山下 愛茜
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.621-624, 2015 (Released:2015-11-10)
参考文献数
16
被引用文献数
3 2

We reported our experiences with providing speech-language therapy to foreign language-speaking patients. The patients were English, Spanish, Chinese, Swahili and Persian speakers. The primary therapist was Japanese and had no experience in many of the target languages. Assessments were made and treatments were delivered to the patients with the assistance of interpreters and necessary information obtained from the Internet. Of the five patients reported, 3 patients were assessed as unimpaired or suffering only very mild aphasia and received no therapy, and 2 patients were assessed with severe aphasia and received speech-language therapy. It was indicated that the presence of an interpreter, the severity of aphasia and the accessibility to target language speech-language therapy information were the important factors in conducting foreign language therapy. In addition, arrangements need to be made to include a means to correct a patient's utterances, provide immediate feedback during therapy and translate all of the testing materials.
著者
五野 貴久 寺井 千尋
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.11, pp.2251-2258, 2016-11-10 (Released:2017-11-10)
参考文献数
10

多発性筋炎(polymyositis:PM)/皮膚筋炎(dermatomyositis:DM)は,自己組織に対して過剰な免疫応答が生じる結果,筋肉,皮膚,関節,肺などに炎症を来たす膠原病である.皮疹を認めない場合はPM,特徴的な皮疹を伴う場合はDMと診断する.PM/DMでは間質性肺炎や悪性腫瘍の併発が比較的多い.モデルマウスを用いた病態機序の解明,自己抗体の発見とその測定法の開発,間質性肺炎を併発したPM/DMの診断・治療のマネジメントなど,ここ10年で日本より世界へ多くの研究成果が発信された.2015年には厚生労働省自己免疫疾患に関する調査研究班内PM/DM分科会により治療ガイドラインが作成された.これらの成果により,日常診療を行う上で非常に有用なノウハウが,医療従事者や患者を含め世の中へ示された.今後,PM/DM患者の機能予後・生命予後のさらなる改善をめざし,具体的な個別化医療の確立が求められる.
著者
木村 拓哉 馬場 里英 岡部 太郎 藤井 遼 皆川 裕祐 藤田 健亮 角谷 隆史 加茂 徹郎 高井 千尋 山田 宗 鯉沼 俊貴 萩原 祥弘 三角 香世 小林 孝臣 山中 隆広 髙橋 秀徳 小村 賢祥 荒井 大輔 長尾 元太 小西 駿一郎 神元 繁信 仲地 一郎 小倉 崇以
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.95, no.2, pp.147-152, 2021-03-20 (Released:2021-10-02)
参考文献数
13

A preliminary report from a global study showed that remdesivir, a nucleoside analog pro-drug that was originally developed as a therapeutic drug against Ebola virus, may exert clinical efficacy in cases of COVID-19, by shortening the time to recovery. We had the opportunity to use this new drug in the treatment of 7 COVID-19 patients with respiratory failure.
著者
本間 元康 加藤 進昌 河村 満 小野 賢二朗 糸井 千尋 緑川 晶 寺尾 安生 政岡 ゆり 二村 明徳 黒田 岳士 杉本 あずさ 太田 晴久
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.84, pp.PD-131-PD-131, 2020

<p>自閉症スペクトラム障害(ASD)はコミュニケーション能力障害が主な症状として知られているが,視野や注意の範囲が狭いという報告もある。空間幅や時間幅の把握・表出などの原始的な能力にも異常が見られ,それらがコミュニケーション能力の低下と関連している可能性がある。本実験ではASD患者20名および健常者20名のデータを取得した。ペンタブレット装置を用い,実験者の指示のもと,ペンを右側へ10センチ動かす課題および心の中で10秒数える実験条件課題を行った。コントロール条件課題として定規を見ながら10センチ動かす課題およびアナログストップウォッチを見ながら10秒数える課題を行った。ASD患者はコントロール条件課題においてほぼ正確に表出することができたが,実験条件課題では時間幅および距離幅を極端に短く表出する傾向があった。さらに自閉症スペクトラム指数のサブスコアである「細部への注意」項目と相関があった。本研究は,空間的にも時間的にも収縮した表出機能と注意機能の異常が関連していることを示唆し,それらの傾向はASD患者のコミュニケーション能力を阻害する一因になっている可能性がある。</p><p> </p><p>連名発表者追加</p><p>(正)</p><p>小野 賢二朗#(昭和大学)</p>
著者
糸井 千尋
出版者
中央⼤学⼤学院事務室
巻号頁・発行日
2021-03-17

【学位授与の要件】中央大学学位規則第4条第1項【論文審査委員主査】緑川 晶(中央大学文学部教授)【論文審査委員副査】山科 満(中央大学文学部教授),山口 真美(中央大学文学部教授),柏野 牧夫(日本電信電話株式会社コミュニケーション科学基礎研究所NTTフェロー柏野多様脳特別研究室長)
著者
安木 真世 黒田 真未 井 千尋
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.13-18, 2021 (Released:2021-04-01)
参考文献数
28
被引用文献数
2

世界的流行が続く新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスSARS-CoV-2の不活化技術として, アルコールや界面活性剤に加え, オゾン水の有効性が報告された。有機物の存在はオゾンの分解を速めて有効オゾン濃度の減衰を招くことが知られており, ウイルスが存在し得る様々な環境を想定してオゾン水の有効性を評価すること, 更には様々な環境に応じてオゾン水の使用条件を設定することが重要な課題である。本研究ではこれら課題のための基盤実験として, 有機物の影響を抑えた(ウイルス培養液の溶媒をリン酸緩衝液に置換した)条件におけるSARS-CoV-2に対するオゾン水の不活化効果を評価した。その結果, (1)タンパク質濃度3.3 μg/mlのウイルス溶液では, 0.1 mg/l濃度のオゾン水の30秒間曝露で生残ウイルス量が1000分の1に, (2)タンパク質濃度33 μg/mlのウイルス溶液では, 0.5 mg/l濃度のオゾン水の3分間曝露で生残ウイルス量が10分の1に減少し, 低濃度のオゾン水がSARS-CoV-2を有意に不活化することが明らかとなった。
著者
中田 北斗 中山 翔太 水川 葉月 池中 良徳 石井 千尋 Yared B. YOHANNES 今内 覚 石塚 真由美
出版者
日本毒性学会
雑誌
日本毒性学会学術年会
巻号頁・発行日
vol.41, pp.P-187, 2014

ケニア共和国の首都ナイロビ市内の大規模ゴミ集積場・ダンドラ地域は、世界第二位の巨大・高密度スラム街であり、地域内の子供の半数はWHO基準(100 μg/kg)以上の血中Pb濃度であることが報告されているが、家畜の汚染や生体への曝露源に関する報告はない。本研究では、ダンドラおよび対照区として同国・ナクル地域に生息するヤギ、ヒツジ、ブタおよびウシの血中金属類(10元素)濃度およびPb安定同位体比をICP-MSにより、PCBsおよび有機塩素系農薬(OCPs)濃度をGC-MSとGC-ECDにより測定した。<br> その結果、全てのサンプルでCr, Mn, Ni, Cu, Zn, As, Mo, Agの高濃度蓄積は認められず、PCBsおよびOCPsは検出限界以下であった。Pb濃度はナクルに比べてダンドラで高い蓄積傾向を示し、ヤギおよびヒツジでは有意差が認められた。ブタの平均Pb濃度はダンドラ(2600 μg/kg, dry wt:dw)がナクル(73 μg/kg, dw)の約35倍の高値を示した。ダンドラのウシからは、ヘム合成に関与するアミノレブリン酸脱水酵素活性が低下するとされる値(100μg/kg)と同程度のPb濃度(91 μg/kg以上)が検出され、血液毒性等の中毒症状の蔓延が示唆された。Cd濃度の地域差および種差は認められなかったが、総じて高値(570±460 ng/kg, dw)を示し、ウシの摂食によるヒトのCd曝露が示唆された。Pb安定同位体比は地域および動物種により異なる傾向を示し、地域内に複数の曝露源があること、動物種により主要な曝露源が異なることが示唆された。<br> 本研究より、両地域に生息する家畜には高濃度のPb, Cdが蓄積し、特にPb汚染はダンドラで深刻なレベルであり、その曝露源が複数存在することが示唆された。家畜と生活環境を共にするヒトへの同様の汚染も強く示唆された。
著者
村田 茂 森 晃 和多田 雅哉 平田 孝道 筒井 千尋 近藤 朱音 高橋 玄宇
出版者
The Japan Society of Applied Electromagnetics and Mechanics
雑誌
日本AEM学会誌 (ISSN:09194452)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.260-265, 2013 (Released:2014-02-25)
参考文献数
6

Traditional ways of using plasma for medical application are blood coagulation and sterilization and etc. Recently, plasma has been used for medical treatment at Drexel University in USA. In their study, sever burn has been treated by using plasma irradiation. If plasma medicine is established, it is possible to start new regenerative medicine. They study therapies by using plasma irradiation, but the examination of safety for living body is not enough. Therefore, in this study, I investigate the effect of plasma irradiation treatment for the living body. The first step of my study, I report the changing of the Cardiovascular System by plasma inhalation.
著者
粒来 崇博 鈴木 俊介 釣木澤 尚実 三井 千尋 東 憲孝 福冨 友馬 谷本 英則 関谷 潔史 押方 智也子 大友 守 前田 裕二 谷口 正実 池原 邦彦 秋山 一男
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.184-193, 2012
参考文献数
22
被引用文献数
2

【背景,目的】強制オッシレーション法は被験者に努力を行わせることなく呼吸抵抗,呼吸リアクタンスといったメカニクスの指標を測定し,スパイロメトリーと違い努力呼気が必要でないことから注目される.近年,本邦より強制オッシレーション法の測定機械としてモストグラフ(チェスト社,東京)が販売され,気管支喘息の診断や治療の指標としての応用が期待されている.そこで,成人の治療中の喘息におけるモストグラフの指標の判定の目安について考察する.【方法】当院外来で治療により安定した気管支喘息患者151症例について同時にFeNO,モストグラフ,スパイログラムを評価,比較した.【結果】%FEV_1,%MMFとモストグラフの各指標は有意な相関を認めたが,Fresと最も強い相関を認めた.%FEV_1予測式は,%FEV_1=-3.174×Fres+115.7であった.また,年齢とX5,Fres,ALX,BMIと全ての指標に有意な相関を認め,年齢や体格によるこれらの指標に対する影響を示唆した.そこで,モストグラフ各指標におけるFEV_1,年齢,BMI,FeNOの関与を評価する目的で重回帰分析を行ったところ,Fresに主たる影響があるのはFEV_1(p<0.001)であるが,BMI(p<0.001)も有意な影響があると考えられた.【考察】モストグラフ法による測定は成人の治療中喘息における気道閉塞を検出するのに優れていた.%FEV_1=60%相当のFresは17.5,%FEV_1=80%相当のFresは11.3,%FEV_1=100%相当は4.94と想定された.
著者
岩井 千尋
出版者
近畿大学
雑誌
商経学叢 (ISSN:04502825)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.315-337, 2008-03

コーポレート・ガバナンスをどのような形にするかということは,一国の資本主義をどのような形にするかということに繋がるが,その中心に位置する問題が株主重視型ガバナンスか従業員重視型ガバナンスかということである。従来から米国が株主重視であるのに対し日本は従業員重視であったが,法人企業統計から,わが国の大企業は2003年頃から急速に株主重視に舵を切り始めたことが分かる。「失われた15年」を経て,いまや企業は収益力を回復した。しかし,株主重視に寄ったせいで従業員の所得が増えなくなり消費不振を招くなどの悪影響が出始めた。日本がこれ以上株主重視に向かうのは好ましくない。株主のみを重視すべきという主張はさしたる根拠があるものでもなく,日本の終身雇用にマッチしないし,人々の幸せに繋がらない。