著者
安田 かづ子 細江 容子
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.52-60, 2004-07-31 (Released:2010-02-04)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

中高年女性の性の問題は, 更年期に特有のものと理解されることが多い。しかし, 性のあり方は結婚生活とも密接に関連しており, 性の問題は, パートナーとの関係性の中でも捉えられる必要がある。本研究では, (1) 配偶者に対する感情と性の満足の評価との関係, (2) 更年期と性の満足の評価との関係を明らかにすることを目的とした。性の満足には, これまでの性の快感の程度が大きく影響をしていることが明らかとなったことから, これまでの性の関係の累積性が性の評価に関わると言える。また, 更年期の影響は, 情緒的要因の嫌でも応じた性の有無にみられたことから, 中高年期は夫と妻の性の欲求の差が更年期に大きく感じられると推測される。
著者
安田 かづ子 杉田 収 斎藤 智子 小林 恵子 関谷 伸一 佐々木 美佐子
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
新潟県立看護短期大学紀要 (ISSN:13428454)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.35-46, 2000

高齢者には、冬でもバリアフリーの状態で、慣れ親しんだ環境で生活を続けたいという願望がある。その為には、次のような生活のレベルの視点:から雪対策が考えられなければならない。(1)除雪ライフサイクルを考える。(1)自分の家の除雪ライフサイクル:自分のライフサイクルから見た家族の除雪の労働力と、除雪の作業量(敷地面積、屋根の構造、玄関から門までの距離、車庫の有無などから試算)とを比較し、ライフサイクルの労働力が不足する時期の為に、必要な消雪・融雪設備や人手の確保など、経済状態も含めて考え、対策を立てる。そして高齢化による身体の変化により、冬期にどんな状態がバリアになるかを認識し、対策を考える。(2) 地域の除雪ライフサイクル:近隣に住む人々の状況の変化に沿った除雪・排雪作業の軽量化、効率化(雪捨て場や流雪溝の設置、無雪道路)を図る。(2)行政との情報交換、要望を積極的に行い、地域全体の除雪の質の向上(道路除雪後の堆雪問題の解決、アパートの車庫の不足解消など)を図る。
著者
小林 美代子 和田 佳子 高塚 麻由 安田 かづ子
出版者
新潟県立看護短期大学紀要委員会
雑誌
新潟県立看護短期大学紀要 (ISSN:13428454)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.91-95, 2000
被引用文献数
1

目的:基礎体温測定をとおして自己の性機能状態の理解が促進されるかを把握する。方法:看護短大生98名を対象に、 3ケ月間基礎体温測定を体験してもらい、その後、自己の性機能状態の理解に関して質問紙による調査を行った。結果:1.測定後、 50%以上のものが自己の「月経周期」 「排卵日の推定」 「排卵の有無」について認識できていた。2.測定前において排卵日が自覚できたものは10%であったが、測定後は50%以上のものが排卵日を推定し、排卵の有無について認識できた。3.測定前の疑問や不安が変化したかでは、変化したものが65%で、その内訳として解決したものが56%、新たな疑問がでてきたものが30%、不安がはっきりしたものが14%であった。Purpose Our concern is to examine whether their measurements of a basal body temperature help the students of nursing college understanding their the reproductive function. Method Subjects of this research were 98 students of nursing college, and after having measured a basal body temperature for three months, we investigated "Understanding of the state of the condition of reproductive function" by the questionnaire to them. Result 1. After measuring a basic temperature, over fifty percent of these students have recognized "Cycle of menstruation", "Presumption on the day of ovulation", and "Presence of ovulation". 2. Ten percent of them were conscious of the day of the ovulation before their measurements. However, after a basal body temperature had been measured, over fifty percent of them could presume the day of the ovulation and recognize the presence of the ovulation. 3. When we asked them whether the doubt and anxiety, which they had felt before the measurements of a basal body temperature, has changed after measurements, they responded that sixty-five percents of them had been changed. Fifty-six percent of them, who have changed their uneasiness and the doubt, answered that their uneasiness and the doubt had been solved, thirty percent answered that the doubt had come out newly and fourteen answered that they could make out their uneasiness.
著者
杉田 収 関谷 伸一 水戸 美津子 西脇 洋子 山際 和子 小林 恵子 安田 かづ子 斎藤 智子 佐々木 美佐子 室岡 耕次
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
新潟県立看護短期大学紀要 (ISSN:13428454)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.29-36, 1998

我が国の高齢社会は住環境問題に直面している。これは日本の重要な社会問題の1つである。特に上越地域の住環境は重要な問題を抱えている。上越地域には高い床の住宅(私たちは高床式住宅と呼ぶ)が多い。それは冬季には2メートルほども雪が降るからである。高床式住宅がこのまま放置されると,今後大きな不都合を来たす恐れがある。私たちは「トライハウス」の基本構想を提案する。この「トライ」は「誰もが住んでみて試すことができる」ことを意味する。その人に適合した居住空間は「トライハウス」の中で,試行錯誤によって造られる。またその「トライハウス」の運営機構によって,地域の人々の自立を援助する。福祉社会の基盤は住宅である。