著者
中村 博生
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
新潟県立看護短期大学紀要 (ISSN:13428454)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.33-38, 1996

本研究の目的は,英語特有の音と音声変化の学習を行うことが学習者のリスニングとスピーキングの力を向上させるかどうかを明らかにすることである。被験者は中学校と高等学校で6年間英語を外国語として学習した経験のある新潟県立看護短期大学の1年生91名であった。この目的を達成するために,2つの言語活動を処遇として設定した。1つは,英語特有の音声を身につけるためにformalな英語が使用されている教材を用いての口頭練習である。もう1つは,音声変化の学習をするために自然な英語が話されているビデオを用いての口頭練習である。処遇の効果を測定するために,英検2級の面接テストとJACET BASIC COMPREHENSION TESTを採用した。テスト結果に対し,分散分析を行った結果,学習者のリスニングとスピーキングの力が向上したことが明らかになった。
著者
石沢 信人 杉田 収 斎藤 秀晃 中野 正春
出版者
新潟県立看護短期大学紀要委員会
雑誌
新潟県立看護短期大学紀要 (ISSN:13428454)
巻号頁・発行日
no.3, pp.3-8, 1997-12

我々は,赤ワイン・白ワイン・その他のアルコール性飲料(ビール,日本酒)・非アルコール性飲料(日本茶,コーヒー,紅茶,昆布茶)および数種類の純化合物の抗酸化能を,CHP/Hb・MB法を用いて測定した.本法はCHP溶液への試料添加による還元反応後の残存CHP濃度を,分光光度計で測定するものである.我々の得た結論は以下の3点である:1.CHP/Iib・MB法は各種飲料物の抗酸化能を測定できる.2.ワインは高い抗酸化能を有するアルコール性飲料である.3.赤ワインは白ワインよりも高い抗酸化能を示すが,白ワインにも高い抗酸化能が認められるので赤ワインにこだわる必要はない.We measured antioxidant activities of red and white wines, other various alcoholic and nonalcoholic beverages (beer, sake, Japanese tea, coffee, tea, and konbucha) and some pure chemical compound solution by CHP/Hb・MB method. This is the method that measure the remaining CHP concentration after reducing reaction caused by adding specimen to CHP solution by a spectrum photometer. Wehave conclusion as follows: 1. CHP/Hb・MB method can measure antioxidant activities in various beverages. 2. Wine is the alcoholic beverage which had high antioxidant activity. 3. Red wine contained high antioxidant activity than white wine, but white wine contained antioxidant activities high fully, too. So we need not to be concerned with red wine.
著者
飯吉 令枝 杉田 収 佐々木 美佐子 丸山 雄一郎 佐藤 一範 稲野 浩一
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
新潟県立看護短期大学紀要 (ISSN:13428454)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.27-32, 1996

血液透析患者の高いアルミニウム値と脳症,骨症との関係は知られている。新潟県立中央病院(上越市)で血液透析を受けている患者76人に対して,血清アルミニウム値を調べたところ,14名(18%)にアルミニウム高値者が存在した。そこで,患者が日常生活においてアルミニウムを取り込む原因となるものについて調査を行った。その結果,アルミニウム高値患者は透析年数が15年以上の患者と,アルミニウム化合物を含む市販薬(バファリン,太田胃酸,熊の胆等)の服用者に見られた。また高値患者の1人は,アルミニウムが多く含まれていたウーロン茶を飲用していた。日常飲用している水道水にもアルミニウムが含まれるが,その含有量は浄水場によって異なり,城山浄水場からの水道水が高値を示した。さらに,古いアルミニウム製品からアルミニウムが多く溶出することも分かった。
著者
笹野 京子 加城 貴美子 高塚 麻由 阿部 正子 西方 真弓 和田 佳子
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
新潟県立看護短期大学紀要 (ISSN:13428454)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.1-8, 2004
被引用文献数
1

妊婦体験ジャケット着用による妊婦体験学習の教育効果を明らかにすることを目的に,研究に同意の得られた47名の学生に学習前後に調査を行った結果,以下のことが明らかになった。学生が記述した妊婦の身体的変化の項目のうち,体験後にその比率が多くなったのは「後傾姿勢」,「腰痛」,「肩こり」(p<0.01)などに有意差があった。日常生活上の変化の項目では「日常生活行動の困難」,「前傾姿勢が困難」,「座り立ちの動作困難」(p<0.01),「転倒の危険性」(p<0.05)などに有意差があった。また,精神的変化の項目では「日常生活上のストレス」(p<0.01)などに有意差があった。反対に学生の記述が体験後に減少または消失した項目は,「浮腫」,「出産・児に対する不安」(p<0.01)など体験学習では体験できないことであった。また,学生が記述した妊婦への保健指導項目では,体験学習で得た体験に基づき体験後にその保健指導項目の比率が多くなり,反対に体験できない項目については減少または消失していた。以上のことから,学生がその体験学習から学び得る傾向を十分理解した上で,看護教育へ導入していく必要があると結論される。
著者
安田 かづ子 杉田 収 斎藤 智子 小林 恵子 関谷 伸一 佐々木 美佐子
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
新潟県立看護短期大学紀要 (ISSN:13428454)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.35-46, 2000

高齢者には、冬でもバリアフリーの状態で、慣れ親しんだ環境で生活を続けたいという願望がある。その為には、次のような生活のレベルの視点:から雪対策が考えられなければならない。(1)除雪ライフサイクルを考える。(1)自分の家の除雪ライフサイクル:自分のライフサイクルから見た家族の除雪の労働力と、除雪の作業量(敷地面積、屋根の構造、玄関から門までの距離、車庫の有無などから試算)とを比較し、ライフサイクルの労働力が不足する時期の為に、必要な消雪・融雪設備や人手の確保など、経済状態も含めて考え、対策を立てる。そして高齢化による身体の変化により、冬期にどんな状態がバリアになるかを認識し、対策を考える。(2) 地域の除雪ライフサイクル:近隣に住む人々の状況の変化に沿った除雪・排雪作業の軽量化、効率化(雪捨て場や流雪溝の設置、無雪道路)を図る。(2)行政との情報交換、要望を積極的に行い、地域全体の除雪の質の向上(道路除雪後の堆雪問題の解決、アパートの車庫の不足解消など)を図る。
著者
小林 美代子 和田 佳子 高塚 麻由 安田 かづ子
出版者
新潟県立看護短期大学紀要委員会
雑誌
新潟県立看護短期大学紀要 (ISSN:13428454)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.91-95, 2000
被引用文献数
1

目的:基礎体温測定をとおして自己の性機能状態の理解が促進されるかを把握する。方法:看護短大生98名を対象に、 3ケ月間基礎体温測定を体験してもらい、その後、自己の性機能状態の理解に関して質問紙による調査を行った。結果:1.測定後、 50%以上のものが自己の「月経周期」 「排卵日の推定」 「排卵の有無」について認識できていた。2.測定前において排卵日が自覚できたものは10%であったが、測定後は50%以上のものが排卵日を推定し、排卵の有無について認識できた。3.測定前の疑問や不安が変化したかでは、変化したものが65%で、その内訳として解決したものが56%、新たな疑問がでてきたものが30%、不安がはっきりしたものが14%であった。Purpose Our concern is to examine whether their measurements of a basal body temperature help the students of nursing college understanding their the reproductive function. Method Subjects of this research were 98 students of nursing college, and after having measured a basal body temperature for three months, we investigated "Understanding of the state of the condition of reproductive function" by the questionnaire to them. Result 1. After measuring a basic temperature, over fifty percent of these students have recognized "Cycle of menstruation", "Presumption on the day of ovulation", and "Presence of ovulation". 2. Ten percent of them were conscious of the day of the ovulation before their measurements. However, after a basal body temperature had been measured, over fifty percent of them could presume the day of the ovulation and recognize the presence of the ovulation. 3. When we asked them whether the doubt and anxiety, which they had felt before the measurements of a basal body temperature, has changed after measurements, they responded that sixty-five percents of them had been changed. Fifty-six percent of them, who have changed their uneasiness and the doubt, answered that their uneasiness and the doubt had been solved, thirty percent answered that the doubt had come out newly and fourteen answered that they could make out their uneasiness.
著者
杉田 収 関谷 伸一 水戸 美津子 西脇 洋子 山際 和子 小林 恵子 安田 かづ子 斎藤 智子 佐々木 美佐子 室岡 耕次
出版者
新潟県立看護大学
雑誌
新潟県立看護短期大学紀要 (ISSN:13428454)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.29-36, 1998

我が国の高齢社会は住環境問題に直面している。これは日本の重要な社会問題の1つである。特に上越地域の住環境は重要な問題を抱えている。上越地域には高い床の住宅(私たちは高床式住宅と呼ぶ)が多い。それは冬季には2メートルほども雪が降るからである。高床式住宅がこのまま放置されると,今後大きな不都合を来たす恐れがある。私たちは「トライハウス」の基本構想を提案する。この「トライ」は「誰もが住んでみて試すことができる」ことを意味する。その人に適合した居住空間は「トライハウス」の中で,試行錯誤によって造られる。またその「トライハウス」の運営機構によって,地域の人々の自立を援助する。福祉社会の基盤は住宅である。