著者
清水 恵子 斉藤 修 小川 研人 水上 創 上園 崇 塩野 寛 粟屋 敏雄 藤田 育志 松原 和夫
雑誌
法中毒 (ISSN:09159606)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.122-123, 2001-05

雑誌掲載版これ迄に起きた標記犯罪例として,部活顧問の高校教師による猥褻事件,軟派した女性への強姦,眠剤服用者による放火,飲酒者に対する強姦の4事例を提示し,自施設で行った健忘機構の行動薬物学的・神経化学的研究を紹介した.この研究により酒とベンゾジアゼピン系薬物との併用による前向健忘の機構は,両薬剤がGABA神経の活性化を介して海馬におけるプレシナプティックなグルタミン酸放出を抑制することで記憶障害を惹起する可能性が示唆された
著者
松原 和夫 清水 恵子 田崎 嘉一
出版者
旭川医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

標準的なパーキンソン病治療は、ドパミン受容体刺激薬あるいはドパミン前駆体であるL-DOPAの投薬である。特に、L-DOPAは極めて優れた抗パーキンソン効果を示すが、長期間の使用によって効果が減弱する上に、様々な副作用を引き起こす。そのため、L-DOPAによる長期治療のために、幾つかの薬剤が開発されているが、全てL-DOPAの効果を持続させドパミン神経を興奮させるものである。従って、非ドパミン系神経に作用する従来とは全く作用機序の異なる抗パーキンソン病薬の開発が望まれる。パーキンソン病における運動機能の異常は、いわゆる大脳基底核を介した「直接路」あるいは「間接路」の神経伝達経路の不均衡として発現する。直接路は入力部である線条体と出力部である淡蒼球内節や黒質網様部の間を直接つなぎ、抑制性アミノ酸作動性の神経である。一方、間接路は介在部である淡蒼球外節と視床下核を経由して両者を間接的につなぎ、抑制性アミノ酸作動性と興奮性アミノ酸作動性神経が組み合わされている。従って、これらの経路の非ドパミン神経の不均衡を改善すれば、パーキンソン病治療の有効な補助薬となると考えられる。セロトニン1A(5-HT1A)受容体は、抗うつ薬や抗不安薬が作用する重要な部位であると考えられている。5-HT作動性神経は、縫線核を起始部として基底核にも投射している。また、5-HT1A受容体は、縫線核および海馬と同様に皮質、視床下核および淡蒼球内節に高密度に発現している。本研究は、5-HT1A受容体刺激薬の抗パーキンソン病効果を行動薬理学的に評価し、その効果が基底核における運動神経回路の不均衡改善であることを神経化学的に証明した。これらの5-HT1A受容体が発現している基底核は、興奮性アミノ酸作動神経であり、5-HT1A受容体の刺激はこれら神経を抑制することが知られている。従って、パーキンソン病では興奮状態であるこれら基底核の5-HT1A受容体を刺激することによって、運動能の改善に寄与するものと考えられた。この知見は、新たな作用機序を有する抗パーキンソン病治療薬の開発に有用であると考えられる。
著者
安藤 昭代 岸野 すき江 松井 澄子 清水 恵子
出版者
東海学園大学
雑誌
紀要 (ISSN:02858428)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.19-32, 1974-06-30

1)バナナ・みかん・りんごの個々の果汁の色の経時的変化, 果汁の加熱による色の変化, 三者のミックスジュースを作成する場合の搾汁順序による色の相違, pulpを除去した果汁としないものとの色の相違並びに経時的変化を検討した。2)個々のジュースの色は, 時間の経過に従って, バナナ・みかん・りんごの何れも褐変した。3)加熱果汁は未加熱果汁に比較して, 単独・混合試料の何れの果汁においても褐変が著るしい。4)三者の搾汁順序による色を比較すると, 同時混合搾汁が最も褐変が少く, 色が安定である。順次に搾汁する場合は, みかんを最初に搾る方法が褐変をいくらか防止する。5)生ジュースのごとくpulp混合の果汁は, pulpを除去した果汁に比較して褐変が少ない。
著者
清水 恵子 斉藤 修 小川 研人 水上 創 上園 崇 塩野 寛 粟屋 敏雄 藤田 育志 松原 和夫
雑誌
法中毒 (ISSN:09159606)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.122-123, 2001-05

雑誌掲載版 これ迄に起きた標記犯罪例として,部活顧問の高校教師による猥褻事件,軟派した女性への強姦,眠剤服用者による放火,飲酒者に対する強姦の4事例を提示し,自施設で行った健忘機構の行動薬物学的・神経化学的研究を紹介した.この研究により酒とベンゾジアゼピン系薬物との併用による前向健忘の機構は,両薬剤がGABA神経の活性化を介して海馬におけるプレシナプティックなグルタミン酸放出を抑制することで記憶障害を惹起する可能性が示唆された