著者
安藤 邦雄 佐々木 弘 細川 知良 縄田 喜治
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集 18 (ISSN:24331856)
巻号頁・発行日
pp.317-323, 1974-10-01 (Released:2017-08-18)

Molecular structure and absolute configuration of 4-o-ethyl ascofuranone (C_<23>H_<28>O_5Cl・C_2H_5) were determined by X-ray crystal structure analysis. Crystal structure was solved by the multisolution method. Dihydro-2,2-dimethyl-furan-3-one ring in the molecule adopts an envelope conformation, and the spatial configuration around the asymmetric carbon on the ring is Sinister according to the notation by Cahn, Ingold and Prelog. ORD and CD spectra were consistent with the ketone octant rule which predicted negative Cotton effect for the carbonyl n-π transition. Proton NMR spectra indicated that the ring was rigid, and its conformation in the solution was approximately identical to that in the crystal. All these results are the first stereochemical data on dihydro-2,2-dimethyl-furan-3-one ring in natural product.
著者
林田 健一郎 金子 俊朗 竹内 崇 清水 洋彦 安藤 邦雄 原田 悦守
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.149-154, 2004-02-25

ラクトフェリン(LF)は,ミルク,血液など体液中に広く存在する鉄結合性タンパク質で,多様な生理機能を待つことが知られている.本実験では,経口投与したLFが,リウマチ性関節炎のモデルであるラットアジュバント関節炎モデルにおいて,抗炎症及び鎮痛効果を示すか否か検討した.加えて,LFの免疫調節機能の特徴を調べる目的で,同モデルにおいて,LPS刺激によるTNF-α及びIL-10産生に対するLFの効果も検討した.LFを関節炎惹起3時間前から1日1回予防的に投与した場合,あるいは関節炎惹起後19日目から7日間治療的に投与した場合のいずれにおいても,LFは関節の腫脹と疼痛を抑制した.関節炎惹起25日目のラットに,LFを単回投与したところ,用量依存的に鎮痛効果が観察され,この効果はナロキソンによって消失した.また,LFは,連続投与した場合だけでなく,単回投与でも,LPS刺激によるTNF-αの産生を抑制しIL-10の産生を増加させた.以上の結果から,経口投与したLFは,関節炎の炎症と疼痛に対し予防的及び治療的効果を待つことが明らかとなった.更に,LFは,TNF-αの産生を抑制しIL-10の産生を増加させるという性質の免疫調節機能を待つことが示唆された.これらのことから,LFが関節炎に対する天然の治療薬になることが期待される.