著者
小野 芳朗 宗宮 功
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
日本土木史研究発表会論文集 (ISSN:09134107)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.38-47, 1983-06-24 (Released:2010-06-15)
参考文献数
64
被引用文献数
2

京都市水道は明治45年 (1912) に京都市三大事業の一環として敷設され、琵琶湖疏水を上水源とした。明治期における都市の水道建設の動機の例にしたがい、京都も古来より豊富良質とされていた地下水の汚染がコレラ等の伝染病流行の原因になったためとされる。ところがわが国には明治以後、上水道技術とともに下水道技術も同時に伝来し、いつれを先に建設すれば都市衛生上好結果をえられるか、という議論がなされている。京都においては、他の都市に比較すれば良質なる地下水を飲料水とし、市民の水道への関心はむしろ薄く、衛生上、下水道建設の要望が強かった。上水下水選択論争は、水力電力増強の目的も兼ねた琵琶湖第二疏水建設の計画の登場により、上水道工事優先が決定され、下水工事の着手は昭和に至るまで待たねばならなかった。
著者
和田 桂子 岸本 直之 宗宮 功 佐藤 寿彦 津野 洋
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.55-62, 2014 (Released:2014-03-10)
参考文献数
32
被引用文献数
1 2

富栄養化の原因となるリン除去を目的に,赤玉土を土壌浸透浄化法へ適用するため,カラム法を用いてリン除去性能を把握する短期通水試験と共に,赤玉土のリン吸着寿命評価のため約7年間に渡る長期連続通水のリン吸着試験を実施した。その結果,土壌カラムのリン除去性能向上は,土壌との接触時間の維持確保,および,土壌層の厚み確保の双方が重要であることが明かとなった。リン吸着試験から,流出水リン濃度の急激な上昇が観測されるまでの累積リン吸着量はおよそ0.5~1.5 gP•kg-1の範囲と推察された。また,リン酸吸収係数の10%が土壌の浄化容量に相当し,施設設計のリン吸着寿命を推定する上で有効な指標となり得る。水質モニタリングから求めた累積リン除去量と累積リン吸着量はある程度一致し,本実験条件では,週2回程度の水質モニタリングにより吸着量を推定することができ,これによって実際の施設運用年数を推定することもできた。
著者
津野 洋 宗宮 功 西村 文武 小島 岳晴
出版者
公益社団法人 日本水環境学会
雑誌
水環境学会誌 (ISSN:09168958)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.246-253, 1997-04-10 (Released:2008-01-22)
参考文献数
10
被引用文献数
1

The low pH of acid precipitation is buffered by soil to some extent, but the pH-buffering mechanism also releases variety of materials, which may cause wide effect on the aquatic environment. So in this research, we have permeated artificial acid rain through soil to examine the quality of soil leachates. As a result, we have found that some soils around Lake Biwa have reached the aluminium buffer range which has possibilities of deteriorating the aquatic ecosystem. We have also found that phosphorus included in the leachate causes great effect on algal growth potential under low pH condition as 4.0.