著者
宮入 暢子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.80-89, 2014-05-01 (Released:2014-05-01)
参考文献数
12
被引用文献数
6 2

Galaxy ZooやeBirdに代表されるシチズンサイエンスでは,基礎研究データの効率的な整備や新たな知識の生産に市民が直接貢献している。「開かれた科学」は17世紀後半の科学アカデミーの成立や学術誌の成立に端を発し,今日の科学研究の基本理念である(1)先駆性の確保,(2)科学の集約化,(3)第三者による正当性の担保,(4)著者による説明責任の確立,といった基礎を築いた。サイエンス2.0の到来によって,プレプリント,オープンピアレビュー,オープンデータリポジトリ,科学のソーシャル化によるネットワークを介したイノベーションなど,学術コミュニケーションの多様化が促進された。これまで論文とその引用という形でしか計ることのできなかった研究インパクトに,オンライン上の注目度を定量化するオルトメトリクスが加わり,各国政府の研究データのオープン化の方針が進む中,科学データ流通を促進するための情報基盤の確立は急務である。
著者
宮入 暢子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.19-31, 2016-04-01 (Released:2016-04-01)
参考文献数
9
被引用文献数
1

世界中の研究者への一意の識別子付与を目的とする国際非営利組織ORCID Inc.が,2012年10月にサービスを開始してから3年余りが経過した。2014年11月にアジアで初のORCIDアウトリーチ・ミーティングが東京で開催された直後に100万人を超えたORCID のID登録者数は,その後1年余りで180万人を超え,研究者識別子の業界標準として急速に浸透している。本稿では,研究者およびメンバー機関にとってのORCIDの意義を再確認するとともに,2015年末までのORCID Inc.の活動状況を概観する。特に,国や地域レベルで導入を進めるORCIDコンソーシアムの動向や,DOI発行機関によるORCIDレジストリの自動アップデートなど,加速度的に進展するORCIDの原動力となったイニシアチブを紹介し,今後ORCIDの活用を目指す日本の研究機関,出版社,研究助成機関などに参考情報を提供する。
著者
宮入 暢子 森 雅生
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.206-213, 2021-05-01 (Released:2021-05-01)

2012年10月にレジストリサービスの提供を開始したORCID(Open Researcher and Contributor ID)は,世界中で各種の学術情報システムやサービスに広く実装され,総登録者数は2020年末までに1,000万人を超えている。本稿では,運営組織としての非営利団体ORCIDや,研究者情報基盤としてのORCIDの特徴と提供サービスについて概観し,1,000を超える機関メンバーや23のコンソーシアムによって支えられるORCIDコミュニティの現況について解説する。
著者
宮入 暢子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.11, pp.529-534, 2019-11-01 (Released:2019-11-01)

学術情報の電子化と標準化が進む一方,その流通量の増加とコンテンツの多様化は,データの構造化と横断的な分析をますます困難なものにしている。近年,自然言語処理や機械学習アルゴリズムの実装や,メタデータ取得の自動化によってこれらの課題を克服しようとする学術データベースが相次いでリリースされている。本稿ではそうした新世代のデータベースのいくつかを概観し,それらが成立した背景要因として,機械可読識別子の普及やオープンなコンテンツの拡大,人工知能の学術情報サービスへの応用などについて検討するとともに,それらが今後の学術情報流通に与える影響について展望する。
著者
宮入 暢子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.80-89, 2014
被引用文献数
2

Galaxy ZooやeBirdに代表されるシチズンサイエンスでは,基礎研究データの効率的な整備や新たな知識の生産に市民が直接貢献している。「開かれた科学」は17世紀後半の科学アカデミーの成立や学術誌の成立に端を発し,今日の科学研究の基本理念である(1)先駆性の確保,(2)科学の集約化,(3)第三者による正当性の担保,(4)著者による説明責任の確立,といった基礎を築いた。サイエンス2.0の到来によって,プレプリント,オープンピアレビュー,オープンデータリポジトリ,科学のソーシャル化によるネットワークを介したイノベーションなど,学術コミュニケーションの多様化が促進された。これまで論文とその引用という形でしか計ることのできなかった研究インパクトに,オンライン上の注目度を定量化するオルトメトリクスが加わり,各国政府の研究データのオープン化の方針が進む中,科学データ流通を促進するための情報基盤の確立は急務である。
著者
宮入 暢子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.80-89, 2014
被引用文献数
2

Galaxy ZooやeBirdに代表されるシチズンサイエンスでは,基礎研究データの効率的な整備や新たな知識の生産に市民が直接貢献している。「開かれた科学」は17世紀後半の科学アカデミーの成立や学術誌の成立に端を発し,今日の科学研究の基本理念である(1)先駆性の確保,(2)科学の集約化,(3)第三者による正当性の担保,(4)著者による説明責任の確立,といった基礎を築いた。サイエンス2.0の到来によって,プレプリント,オープンピアレビュー,オープンデータリポジトリ,科学のソーシャル化によるネットワークを介したイノベーションなど,学術コミュニケーションの多様化が促進された。これまで論文とその引用という形でしか計ることのできなかった研究インパクトに,オンライン上の注目度を定量化するオルトメトリクスが加わり,各国政府の研究データのオープン化の方針が進む中,科学データ流通を促進するための情報基盤の確立は急務である。
著者
宮入 暢子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.74, no.3, pp.92-98, 2024-03-01 (Released:2024-03-01)

社会のデジタルトランスフォーメーションが進む現在,デジタルアイデンティティの必要性が国際的に重要な議論となっている。自己主権型や分散型といった新しいアプローチによるデジタルアイデンティティのフレームワークは,社会経済基盤だけでなく,学術コミュニケーションのエコシステムにも影響を与えようとしている。本稿では,新しいデジタルアイデンティティの基本概念について先行モデルとの比較とともに概観し,研究者識別子が新たなモデルを採用することにより得られるメリットについて検討する。
著者
宮入 暢子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.446-456, 2007 (Released:2007-10-01)
参考文献数
18

本稿では,Web of Science®データベースより抽出したサンプルレコードを通して,日本の科学者が手がけた先駆的研究について振り返った。さまざまな分野の重要な科学史上の功績とその背景を紹介しながら,20世紀初頭から1980年代にかけての日本の科学技術の発展を回顧した。日本の科学者が世紀初頭より活発に論文を出版し,今日に至るまで長く引用されるような世界初の研究成果や発明を残していることが確認された。ノーベル賞受賞者を含む多くの日本の科学者が,日本からの国際発信に貢献したことがわかった。
著者
宮入 暢子
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第16回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.43-48, 2019 (Released:2019-06-14)

科学技術情報の電子化と標準化は、さらなる研究の発展や意思決定の迅速化、イノベーションを加速させる重要なファクターである。その一方で、爆発的に増加し続ける研究情報とその多様化は、データの構造化と横断的な分析をますます困難なものにしている。出版物や特許情報、研究データなどの1次情報に加えて、引用データ、オルトメトリクスなどの2次情報など、異なる構造をもつ複数のソースから得られるデータから、意思決定を左右する知見をどれだけ迅速に得られるのかは、ツールの見極めと分析手法の選択を行う担当者の重大な責任である。本発表では、異種データを人工知能を用いて横断的に検索・分析できるツールの例としてwizdom.aiおよびDimensionsについて概観し、従来のツールとどのように異なるかを考察する。また、それによってどのような新たな検索や分析手法が可能になるのか、特に「情報過多と多様化」の問題がどのように克服され得るのか検討する。
著者
宮入 暢子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.19-31, 2016

世界中の研究者への一意の識別子付与を目的とする国際非営利組織ORCID Inc.が,2012年10月にサービスを開始してから3年余りが経過した。2014年11月にアジアで初のORCIDアウトリーチ・ミーティングが東京で開催された直後に100万人を超えたORCID のID登録者数は,その後1年余りで180万人を超え,研究者識別子の業界標準として急速に浸透している。本稿では,研究者およびメンバー機関にとってのORCIDの意義を再確認するとともに,2015年末までのORCID Inc.の活動状況を概観する。特に,国や地域レベルで導入を進めるORCIDコンソーシアムの動向や,DOI発行機関によるORCIDレジストリの自動アップデートなど,加速度的に進展するORCIDの原動力となったイニシアチブを紹介し,今後ORCIDの活用を目指す日本の研究機関,出版社,研究助成機関などに参考情報を提供する。

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著者
岡 紀子 岡田 英孝 川田 恒康 固武 龍雄 重嶋 まみ 真銅 解子 末廣 恒夫 土谷 久 原田 智子 松谷 貴己 南山 和男 宮入 暢子
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.694-697, 2008

ご愛読者の皆さまに声をお聞かせいただくようお願いいたしました。お褒めのことば,お叱りのことば,いずれもありがたく受け止めてまいります。皆さまに育てられて今日の日を迎えることができました。これからも,どうぞよろしくお願いいたします(50音順)。<br>