著者
宮城 徹 Miyagi Toru
出版者
琉球大学法文学部
雑誌
人間科学 = Human Science (ISSN:13434896)
巻号頁・発行日
no.37, pp.71-101, 2017-09

10世紀後期の修道院復興期において、イングランド東部のイースト・アングリア周辺には多数の修道院が復興・創設された。本稿では、その中からソーニー修道院を考察の対象に取り上げ、創設以後11世紀後期に至るまでの所領形成のための土地集積のプロセスを検証すると共に、そのような歴史的経験を踏まえて11世紀後期の史料に現われる修道院の所領景観について歴史地理学的見地より考察を行なった。結果として、当該期の史料に現われるその所領景観の性格が、修道院の歴史的経験に根差して形成されていることを明らかにした。
著者
伊勢崎 賢治 岩崎 稔 宮城 徹 Mohamed Abdin 福田 彩 池田 満
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-07-10

現在「過激化」は、安全保障、国際政治、教育、心理学の重大な学術的焦点である。「過激化」は対称性において分析される。インドではカシミールにおいてムスリム若年層の過激化の一方、ヒンドゥー至上主義を支持層とする政権による同若年層の凶暴化が建国の理想である多元民主主義を脅かす。スリランカでは反イスラムの教義化が多数派仏教徒を暴徒化させる。宗教を国家の求心力の要としてきたパキスタンではテロ化に収束の兆しはない。バングラディッシュでもISISの浸透が国家権力への脅威になる。本事業は「過激化」の歴史的分析、アクター、それらが発する言説の分析、そして「脱過激化」への処方箋における当該国の最新の叡智を結集した。