著者
伊勢崎 賢治 岩崎 稔 宮城 徹 Mohamed Abdin 福田 彩 池田 満
出版者
東京外国語大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-07-10

現在「過激化」は、安全保障、国際政治、教育、心理学の重大な学術的焦点である。「過激化」は対称性において分析される。インドではカシミールにおいてムスリム若年層の過激化の一方、ヒンドゥー至上主義を支持層とする政権による同若年層の凶暴化が建国の理想である多元民主主義を脅かす。スリランカでは反イスラムの教義化が多数派仏教徒を暴徒化させる。宗教を国家の求心力の要としてきたパキスタンではテロ化に収束の兆しはない。バングラディッシュでもISISの浸透が国家権力への脅威になる。本事業は「過激化」の歴史的分析、アクター、それらが発する言説の分析、そして「脱過激化」への処方箋における当該国の最新の叡智を結集した。