著者
藤原 幸一 坂根 史弥 宮島 美穂 山川 俊貴 加納 学 前原 健寿
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.4C1OS27a05, 2018 (Released:2018-07-30)

京都市祇園で起きた軽ワゴン車の暴走により,多数の死傷者が出た痛ましい事故は記憶に新しい.事故原因としてドライバのてんかん発作が挙げられている.てんかんとは脳細胞のネットワークに起きる異常な神経活動のため,けいれんや意識障害などのてんかん発作を来す疾患である.てんかん治療の第一選択は抗てんかん薬であるが,3割の患者は薬剤では発作を抑制できない.しかし,数十秒前に発作を予知できれば,患者は発作までに身の安全を確保し,生活の質を改善できる.我々はこれまでに心拍変動(HRV)と異常検知アルゴリズムを組み合わせたてんかん発作予知技術を開発した.オフライン解析によると,感度90%以上,擬陽性率0.7回/hが達成されている.発作予知技術が実用化できれば,発作起始の前に即効性抗てんかん薬の服薬することなどにより,発作を抑制または軽減できると期待される.このような治療法をClosed-Loopてんかんケアと呼ぶ.現在,AMED先端計測プログラムにて,Closed-Loopてんかんケアの実現に向けた研究開発を行っている.本発表ではてんかん発作予知システム開発の現状と今後の見通しについて発表する.
著者
小原 奈津子 宮島 美穂
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 61回大会(2009年)
巻号頁・発行日
pp.123, 2009 (Released:2009-09-02)

目的 ベトナムの伝統衣服であるアオザイは、長袖でゆとりが少なく体にフィットした形で腰から裾へ長いスリットが入った上衣と、幅広のパンツの組み合わせからなる。現在はポリエステル製のアオザイがよく見かけられるが、高温多湿な気候下でスリムなデザインの衣服素材として吸湿性の低いポリエステルが予想に反して定着していることから、ポリエステルとスリットがアオザイの衣服内気候に及ぼす影響を検討した。方法 試料服としてスリットのあるアオザイとスリットをふさいだアオザイを、厚さと織密度がほぼ等しいポリエステルと綿で製作した。30℃、80%R.H.の環境下で、5人の被験者が椅座安静(15分)、階段昇降運動(15分)、立位安静(30分)のプログラムで運動した。その間、8か所の皮膚温の変化、4か所の衣服内温湿度の変化を測定し、温度、快適、べたつきなどの官能評価を行った。これらの実験は各2回行った。さらに実験前後の衣服とタオルの重量差から発汗量を求めた。結果 皮膚温、衣服内温湿度および官能評価では被験者に共通した運動による変化がみられたが、分散分析の結果、素材とスリットはこれらの衣服内気候に影響する要因としては有意ではなかった。他方、汗の量は、スリットのない綿素材>スリットのないポリエステル素材>スリットのあるポリエステル素材>スリットのある綿素材の順となり、綿素材のアオザイではスリットの有無が汗の量の要因として有意であり、一方ポリエステルではスリットの有無は要因として有意でなかった。これらの結果から、本実験のような条件下で運動した場合の衣服内気候は、素材の吸湿性のみならず、吸湿による吸着熱の発生、素材の通気性、吸水性などに影響を受けることが明らかとなった。
著者
藤原 幸一 坂根 史弥 宮島 美穂 山川 俊貴 加納 学 前原 健寿
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.4C1OS27a05, 2018

<p>京都市祇園で起きた軽ワゴン車の暴走により,多数の死傷者が出た痛ましい事故は記憶に新しい.事故原因としてドライバのてんかん発作が挙げられている.てんかんとは脳細胞のネットワークに起きる異常な神経活動のため,けいれんや意識障害などのてんかん発作を来す疾患である.てんかん治療の第一選択は抗てんかん薬であるが,3割の患者は薬剤では発作を抑制できない.しかし,数十秒前に発作を予知できれば,患者は発作までに身の安全を確保し,生活の質を改善できる.我々はこれまでに心拍変動(HRV)と異常検知アルゴリズムを組み合わせたてんかん発作予知技術を開発した.オフライン解析によると,感度90%以上,擬陽性率0.7回/hが達成されている.発作予知技術が実用化できれば,発作起始の前に即効性抗てんかん薬の服薬することなどにより,発作を抑制または軽減できると期待される.このような治療法をClosed-Loopてんかんケアと呼ぶ.現在,AMED先端計測プログラムにて,Closed-Loopてんかんケアの実現に向けた研究開発を行っている.本発表ではてんかん発作予知システム開発の現状と今後の見通しについて発表する.</p>