著者
鈴木 慶昭 加納 学 曽我 朗 柳町 武志 村尾 了 髙木 雅哉
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

多工程生産設備の生産性向上を目指して,装置組合せに依存する良品率の推定方法と良品率を考慮した生産スケジューリング方法を開発した.良品率推定にはField-aware Factorization Machines (FFM)が極めて有効であり,良品率を高 精度で推定できることに加えて,良品率に影響する特別な装置組合せを正確に特定できた.さらに,メイクスパン最小化と最終製品良品率最大化を同時に考慮した多目的生産スケジューリング問題をMILP問題として定式化し,NSGA-II と新しいディスパッチングルールを組み合わせることで,優れたパレート最適解を導出できた. ディスパッチングルールとしてFIFOを用いる場合,メイクスパンのみを目的関数とする従来法に比べて,単位時間あたりの良品数を12%向上できた.
著者
小林 翔太 宮川 将士 武政 奨 高橋 直希 渡邉 好夫 加納 学
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.4F1GS10l03, 2021 (Released:2021-06-14)

ケミカルトナー製造プラントでは,収集されるプロセスデータを活用し,機械学習を用いた品質自動制御を実施している.精度の高い機械学習モデルを構築する際に,入力変数と出力変数を対とする多くのデータを必要とするが,トナー製造プラントでは,毎日1ロットという生産量であるため,長期間データを収集しなければならない.一方,製造現場ではしばしば工法や材料の改良が行われており,データの再収集と予測モデルの再構築の間は,手動操作による多大な工数が必要となる.そのため,少数ロットのデータを用いて精度の高い予測モデルを構築することが求められている.本稿では工法の改良後の少量データと改良前のデータに対して転移学習を活用した品質予測手法について提案する.提案手法では,簡単な特徴空間の拡張で実装が可能なFrustratingly Easy Domain Adaptionを転移学習に用い,予測手法にはガウス過程回帰(GPR)とバギングを組み合わせる手法を用いた.提案手法をトナー製造プラントに活用した結果,品質管理者の工数75%低減を達成した.
著者
藤原 幸一 坂根 史弥 宮島 美穂 山川 俊貴 加納 学 前原 健寿
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.4C1OS27a05, 2018 (Released:2018-07-30)

京都市祇園で起きた軽ワゴン車の暴走により,多数の死傷者が出た痛ましい事故は記憶に新しい.事故原因としてドライバのてんかん発作が挙げられている.てんかんとは脳細胞のネットワークに起きる異常な神経活動のため,けいれんや意識障害などのてんかん発作を来す疾患である.てんかん治療の第一選択は抗てんかん薬であるが,3割の患者は薬剤では発作を抑制できない.しかし,数十秒前に発作を予知できれば,患者は発作までに身の安全を確保し,生活の質を改善できる.我々はこれまでに心拍変動(HRV)と異常検知アルゴリズムを組み合わせたてんかん発作予知技術を開発した.オフライン解析によると,感度90%以上,擬陽性率0.7回/hが達成されている.発作予知技術が実用化できれば,発作起始の前に即効性抗てんかん薬の服薬することなどにより,発作を抑制または軽減できると期待される.このような治療法をClosed-Loopてんかんケアと呼ぶ.現在,AMED先端計測プログラムにて,Closed-Loopてんかんケアの実現に向けた研究開発を行っている.本発表ではてんかん発作予知システム開発の現状と今後の見通しについて発表する.
著者
加納 学 山下 善之
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.125-129, 2005-02-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
9
被引用文献数
5
著者
岩崎 絢子 仲山 千佳夫 藤原 幸一 角 幸頼 松尾 雅博 加納 学 角谷 寛
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1H4J1303, 2019 (Released:2019-06-01)

睡眠時無呼吸症候群 (SAS) は, 睡眠中に呼吸の停止あるいは呼吸量の減少が頻回に起こる疾患であり, 日中の眠気などの症状を引き起こすほか, 心血管系の合併症のリスクを高める. しかし, 自覚症状に乏しいケースも存在することから, 診断および治療に至っていない患者が多く存在すると考えられている. SAS の診断には終夜睡眠ポリグラフ検査 (PSG) が用いられるが, PSG を実施できる施設が少ないことが問題となっていた. そこで本研究では, 心拍変動解析と長期短期記憶を組み合わせた簡便なスクリーニング手法を提案する. SAS 患者および健常者計 59 名のデータに対して提案法を適用したところ, 感度 100%, 特異度 100% で SAS のスクリーニングが可能であることが判明した.
著者
藤原 幸一 坂根 史弥 宮島 美穂 山川 俊貴 加納 学 前原 健寿
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.4C1OS27a05, 2018

<p>京都市祇園で起きた軽ワゴン車の暴走により,多数の死傷者が出た痛ましい事故は記憶に新しい.事故原因としてドライバのてんかん発作が挙げられている.てんかんとは脳細胞のネットワークに起きる異常な神経活動のため,けいれんや意識障害などのてんかん発作を来す疾患である.てんかん治療の第一選択は抗てんかん薬であるが,3割の患者は薬剤では発作を抑制できない.しかし,数十秒前に発作を予知できれば,患者は発作までに身の安全を確保し,生活の質を改善できる.我々はこれまでに心拍変動(HRV)と異常検知アルゴリズムを組み合わせたてんかん発作予知技術を開発した.オフライン解析によると,感度90%以上,擬陽性率0.7回/hが達成されている.発作予知技術が実用化できれば,発作起始の前に即効性抗てんかん薬の服薬することなどにより,発作を抑制または軽減できると期待される.このような治療法をClosed-Loopてんかんケアと呼ぶ.現在,AMED先端計測プログラムにて,Closed-Loopてんかんケアの実現に向けた研究開発を行っている.本発表ではてんかん発作予知システム開発の現状と今後の見通しについて発表する.</p>
著者
櫻井 和彦 臼杵(小野) 昌子 古沢 仁 加納 学 東 豊土 澤村 寛
出版者
The Geological Society of Japan
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.113, pp.S153-S165, 2007

北海道の各地にある博物館や資料館の中には,地質や化石から地域の生い立ちを紹介する館園も数多くある.今回はその中から,北海道を横断する行程上にある五館を見学する.<br>三笠市立博物館(Stop2)・むかわ町立穂別博物館(Stop5)では,白亜紀に海だった北海道中央部を泳いでいたアンモナイトや,長頸竜・モササウルスなどの海生爬虫類化石を観察する.足寄動物化石博物館(Stop4)・札幌市博物館活動センター(Stop1)では,新生代に海だった北海道で進化を遂げたクジラやデスモスチルス,カイギュウなどの海生哺乳類化石について観察する.日高山脈館(Stop3)では,北海道の背骨とも呼ばれる日高山脈に産するさまざまな岩石を通じ,島弧的地殻の形成過程などについて考える.<br>このほか,日本の近代産業を長い間支えてきた石炭産業に関わる展示や,日高山脈など各地の自然環境に関する展示にもふれる.また移動途中には車窓より北海道の自然景観を実際に観察できるであろう.<br>各地域の生い立ちを地質・化石から紹介する博物館を,各館の学芸員による案内で見学しながら,北海道の生い立ちを思い浮かべてほしい.