著者
鄭 雅英 呉 弘敏 権 香淑 宮島 美花 出羽 孝行 林 梅 玄 善允
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

1990年代以降に急増する中国朝鮮族の国境を越えた移住労働現象の中で、男性より先駆的な役割を果たしたと評価される朝鮮族女性の国外移住に至るプロセス、彼女たちの移住労働における生活戦略と結果として手にした社会的な利益/損失、および出身地に残した家族やコミュニティとの関係維持/再構築の現状について、最新の知見を獲得した。とりわけ中国、韓国、日本(東京、大阪など)各地における朝鮮族インタビューの蓄積により、トランスナショナルな移民生活における女性と家族の問題に関する新たな理論構築に資する多面的な議論と研究成果を残すことができた。
著者
宮島 美花
出版者
香川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、、社会調査における質的調査(聞き取り調査)の技法を用いた、中国朝鮮族の跨境生活に関する研究である。国境を含む行政区界の境界を跨いだ生活(跨境生活)には、行政区界ごとに社会保障システムが成り立っていることに起因する不便や不利益が伴う。彼らの跨境生活のありよう、特に彼らが日常的に直面する困難やその解決方法を明らかにすることを通じて、国家や地方自治体のような行政区界内のガバナンスと、そのような行政区界の境界に収まりきらない跨境生活空間におけるガバナンスとのズレを問い、民族ネットワークがその調整のために果たす役割を明らかにする。