著者
岡本 陸 稲坂 晃義 宮崎 愛弓 長尾 徹
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.4_19-4_28, 2023-03-31 (Released:2023-03-30)
参考文献数
26

近年,デザイン非従事者がデザインのプロセスに参加するような考え方や活動が注目されてきているが,多くの人々がデザイン行為に対する自己効力感に課題を抱えていると考える。本研究の目的は,デザイン非従事者に,共創という状況の中でDual Focus の考え方を援用したリフレクションを行わせることが,デザイン行為に対する自己効力感にどのような影響を与えるのかを明らかにすることである。デザインを専門的に学んでいない大学生に対して,デザイン行為を伴うグループワークを実施させた後,Dual Focus を用いてリフレクションをした群(他者視点を介入させる群)と,用いずにリフレクションをした群(他者視点を介入させない群)の2つに分け,それぞれの効果を分析した。その結果,グループワーク実施後にDualFocus を援用したリフクションを行った群は,自己に対してより詳細に振り返る傾向が確認され,さらにデザイン行為に対する自己効力感の一部分が有意に向上していることが分かった。
著者
藤井 鈴子 中友 千芳子 大藤 祥子 宮崎 愛 下司 洋子 興梠 直美 石橋 純子 秋山 仁美 辻 愛実
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.222, 2014

今年のファッションショーは、重度の障害があっても本人にとって機能的かつ好みのファッションを通し、「夢かなえる装い」を大きなテーマにしています。今年のファッションショーを担当させていただくことになった南京都病院の重症心身障害児者病棟では、日々の活動や行事を通してより豊かな生活を送って頂きたいという想いを大切にしています。その中でも毎月のお誕生会や季節行事の際には、職員が作った色とりどりの衣装を楽しんでもらっています。身にまとうことで「衣装」を介しておのずと会話が広がり、その場は楽しい雰囲気と笑顔に包まれるのです。装い一つで、利用者の皆さん、保護者、職員の気持ちに一体感が生まれ、「衣装」が楽しいひと時を過ごすための重要な役割を果たしています。今回のモデルは、夢多き女性3名です。一人目の女性は、おしゃれに興味がありファッション雑誌を見るのが大好き、夢はモデルさん。当日はモデルになった気分を思いっきり感じたいと思っておられます。二人目の女性は音楽大好きな女性、どんな曲でもピアノを奏でることができます。夢は大好きなピアノやオルガンを発表会で演奏することです。発表会用の衣装を着てリサイタルショーをします。みんなで一緒に歌いましょう。3人目の女性は理想のボーイフレンドと一緒にデートをするのが夢… 素敵な洋服でお出かけします。大好きな人が振り向いてくれますように、とそれぞれ夢かなえる装いをテーマにしています。ファッションショーの最後には南京都病院の利用者の皆さんがおしゃれを楽しまれているスライドを紹介いたします。テーマは「花火大会」。花火のようにきれいに輝く笑顔をお届けします。日本の古都、京都らしさを感じていただき、幸せな気持ちになっていただけたら幸いです。このように身にまとうことを大切にしている南京都病院ならではの行事の様子と衣装をブースにて展示しております。行事に参加されている重症児病棟の利用者の皆さんの輝く笑顔と共にご覧いただければ嬉しく思います。これからもファッションを通して笑顔の輪が広がりますように……。
著者
宮崎 愛弓 田隈 広紀 長尾 徹 田中 みなみ 淺野 友希 小田 裕和
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2018 春季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.17-36, 2018 (Released:2018-04-16)
参考文献数
10

イノベーション事業を牽引するメンバーには、その適用対象のありのままの姿から問題を発見・定義する洞察力が不可欠である。一方で、大学をはじめとする工学教育における課題研究やPBLでは問題解決力の養成が主眼に置かれ、その前段となる発見・定義力については学生個々の経験や問題意識に依存している。本研究ではP2Mのプロファイリングマネジメントとの関係性を意識しつつ、問題を発見するフィールド調査方法において、フィールドのありのままの姿から問題を発見する為に「一次情報と解釈を分けることを意識した上で一次情報を収集する」方法を提案し、試行実験にてその有効性を示したものである。
著者
淺野 友希 田隈 広紀 西田 絢子 串田 直也 長尾 徹 宮崎 愛弓
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2019 春季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.373-392, 2019 (Released:2019-05-13)
参考文献数
25

近年の製品やサービス、多くのビジネスモデル開発現場では、環境の変化に合わせたアイデア提案のために、短期間のワークショップを開催してアイデアの創出を行う企業も多くある。短期間のワークショップはアイデアをクイックに出すことができるという利点がある一方、アイデアが必ずしも十分に検討されるわけではなく、独自性がなく似たようなアイデアが多くなるという問題がある。著者らの既報により、「Inverted Triangle」を用いたアイデアの内省を行うことでアイデアを整理することを提案しているが、アイデアが十分に検討された後に行うことを想定しており、このような短期間のワークショップでの成果については対象とされていない。本研究では、短期間ワークショップで創出したアイデアの「着眼点」を再解釈させ自身の考えを深堀りした「独自性」に関する記述を向上させるため、アイデア内省準備シートを提案し、その効果確認を行なった。