著者
宮本 久雄
出版者
東京大学グローバルCOEプログラム「死生学の展開と組織化」
雑誌
死生学研究 (ISSN:18826024)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.240-247, 2004-10-25

シンポジウム「死者と生者の共同性」報告 第二部
著者
宮本 久雄
出版者
岩波書店
雑誌
思想 (ISSN:03862755)
巻号頁・発行日
no.922, pp.1-3, 2001-03
著者
今井 知正 村田 純一 黒住 真 門脇 俊介 信原 幸弘 野矢 茂樹 宮本 久雄 山本 巍
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

自然主義をめぐる哲学的思考の歴史的遺産を再検討したうえで、現代の哲学的自然主義をめぐる論争状況を直接に主題化し、根本的な論点について、各研究者がそれぞれの立場から検証作業を行なった。その結果、現代的な自然主義と反自然主義の対立を一挙に解消することはできないとしても、いくつかの重要な成果が得られた。(1)認識論的自然主義はアプリオリな知識を説明し得ないとされてきたが、暗黙的概念了解と想像による概念連結を根拠として、自然主義的立場においてもそうした知識が説明可能であるという見解が得られた。(2)色彩概念は長らく物理的説明に委ねられ哲学的アプローチに乏しかったが、現象学やウィトゲンシュタインの知見を参照することで、色彩概念が自然主義的還元を許さない多次元性をもつことが示された。(3)自然主義批判の立場はまた、哲学の基礎付け主義や強い意味での正当化要求と、極端な自然主義や懐疑論が裏腹の関係にあり、それらのいずれもが、人間の実践的世界における自由や合理性、真理や正・不正の経験の「内在性」に基づくことを示すことによっても展開できる。(4)ウィトゲンシュタインの後期哲学にも、通常の自然主義とは異なる、人間の「自然誌的」過程における実践に意味や規範の前提を求める「超越論的自然主義」が見られる。(5)日本思想史における「倫理」の位置づけ、現代世界における「公共哲学」の可能性などを問う中で、自然主義の限界を明らかにする作業も行なった。
著者
宮本 久雄
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

平成18年度は従来の3人称的言語による人間論,宗教論,文化論の分析を突破して現代世界の苦悩にみちた現実に学的に関わろうとして「物語り論」(ナラトロギア)によって1人称の「わたし」がどう他者と和解し,共生しうるのかという可能性を探求した。それが新倫理学構築の契機となるように出版やシンポジウムや研究交流を推進した。そのためまず第一に,東京大学出版会から平成19年の1月から3月にわたって「物語り論シリーズ」を刊行した。第1巻は「他者との出会い」,第2巻は「原初の言葉」,第3巻は「彼方からの声」をテーマとし,文学,精神医学,社会思想,自然科学,哲学,芸術などあらゆる分野から物語り論を探求した。第2に東アジアとの交流を深めるべく,韓国西江大学で出張講義をなし,また同大学の哲学・倫理学の教師と学生と共に東京でシンポジウムを開いた。5月の京都国際会館のシンポジウムでは,日,中,韓にユネスコの参加者も加え,「和解と共生」をテーマに活発な議論が展開された。さらに秋期には,ウィーン大学,プラハ大学で東方キリスト教諸派の代表者も含めて「宗教間対話の共生」のテーマの共催シンポジウムを開いた。その成果は『雑誌エイコーン』にのせられ刊行された。本年度はこうして新エチカの多様な地平が拓かれた。