著者
宮田 雄史 茂手木 浩
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会誌 (ISSN:03855090)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1-2, pp.24-34, 1991-07-30 (Released:2017-01-16)

Colourimetric investigations were made on Au-Ag-Cu ternary alloys by spectrophotometry. Test pieces of alloy are prepared at 5 wt% intervals in compositions.Chromaticity coordinates of test pieces are calculated by weighted ordinate method from spectral reflection factor. Results are represented on either Munsel renotation system or CIE standared colourimetric system. In the eutectic region, colours of the alloy can be explained on the basis of additive mixture of the colours at end-members.

1 0 0 0 OA 鉱物と宝石

著者
宮田 雄史
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.131, no.2, pp.275-288, 2022-04-25 (Released:2022-05-13)
参考文献数
20
被引用文献数
2

Gems must meet three requirements: be beautiful, be durable, and be rare. The concept beauty depends on personal values. It is, therefore, not something that is objective and separate from human society. Gems have relationships with society and have requirements. That is, it must be determined whether a gem is genuine or fake. Gems are essentially natural materials. They are generally minerals that are naturally occurring solids formed by geological processes. However, gems have a cultural aspect depending on how they are used. In a historical review, how these two aspects of gems have become the subject of scholarship is briefly elucidated. Currently, artificial gem materials are classified according to their growth history, and whether they are synthetic, man-made, imitations or composites. The task of defining these categories, in addition to natural gems and treated gems, is gem identification, which is based on gem variety, genesis (natural or artificial), treatments applied, (quality) origin (locality) and individual recognition. The development and current status of gemology is reviewed from the viewpoint of mineralogy.
著者
奥山 宗之 川野 潤 宮田 雄史
出版者
宝石学会(日本)
雑誌
宝石学会(日本)講演会要旨
巻号頁・発行日
vol.28, pp.7, 2006

今日では、サファイアの熱処理は一般的に行われている。特にベリリウムを添加したパパラチャ・サファイアが市場を混乱させたことは記憶に新しい。現在の所、これらの熱処理はサファイアの融点直下で行われていると信じられており、鑑別もこのような高温での処理を前提としている。しかし、さらに低い温度での熱処理がなされ、これが鑑別をすり抜けている可能性は否定できない。<BR> そこで、本研究ではサファイア中での添加元素の拡散定数を求めることによって、試料中での当該元素の濃度分布を測定することにより、処理温度、時間を推定するなどの新しい鑑別手段を提供するための基礎データの収集を試みた。<BR> 前述のパパラチャ・サファイアを想定して、添加元素としてBeを選択した。 ただしBeは毒性が高く、実験を行う際に危険を生じる可能性がある。そこで本研究では、ベリリウムの拡散について、まず分子動力学法(Molecular Dynamics、以下MD)を用いたコンピューターシミュレーションを行った。MDは、費用もかからず危険性も無いだけでなく、原子レベルでBeの拡散挙動を知ることが出来る。さらにこの結果を用いれば、効率的に実験条件を設定することが可能であるため、シミュレーション結果に基づいて高温路炉における実験を行い、総合的にコランダムにおけるBeの拡散挙動を調べた。<BR> MD計算を行うにあたっては、新たにAlおよびBe原子に働く力のパラメーターを導出した。このパラメーターは、コランダム(α‐Al2O3)、ブロメライト(BeO)とクリソベリル(BeAl2O4)の物性を精度よく再現する。このパラメーターを用いて、コランダム中にBeを添加した系でMD計算を行ったところ、融点直下の2000℃付近のみでなく、約1000℃までBeが拡散した。<BR> MD計算の結果より比較的低温でも拡散が起こりうる可能性があることが明らかになったので、800, 1000, 1200, 1450℃において市販のベルヌイ合成のホワイト・サファイアを酸化ベリリウムとともに加熱した。この結果、1450℃の加熱で色の変化を示した。この試料の組成分析を行った結果、実際にBeが拡散していることが確認された。<BR> これらの結果より、一般的な加熱温度(1800℃)より低温(1450℃)でもBeは拡散することが明らかになった。さらに、MD計算で求められたBeの拡散定数と、高温炉実験で得られた結果を比較すると、この実験系でのシミュレーションは有効であるとみなせる。この結果は、新たな鑑別手段としての可能性を示唆している。