著者
富永 修 田原 大輔
出版者
福井県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

資源水準が極めて低いタケノコメバルを放流する事により遺伝的影響を評価し、多様性を保全するために凍結精子を用いた人工授精技術の開発を目的とした。タケノコメバル人工種苗集団を放流することで、瀬戸内海東部の野生集団の年級群間のFst値に有意差は認められなかったものの、2005年以前年級群から2009年級群の間で7.4%の低下が認められた。また、凍結精子保存と解凍方法に関して実験を行い、凍結防止剤の選定および冷却速度、到達温度、ならびに解凍速度および凍結防止剤除去方法を確立できた。しかし、凍結精子を用いた人工授精は一部成功したものの事業化には受精率の改善が必要である。
著者
田原 大輔 杉本 亮 富永 修 谷口 真人
出版者
福井県立大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

小浜湾への地下水湧出量を222Rn・塩分の収支モデルから推定したところ、地下水は、全淡水流入量の4~44%を占めており、河川流量の低下する夏季にその割合が高くなる傾向にあった。また、地下水から供給される溶存無機態の窒素、リン、ケイ素は、全陸水由来の栄養塩輸送量の平均で39%、58%、37%を占めていた。特に小浜湾の一次生産はリン制限下にあるため、地下水によるリン供給は小浜湾の生物生産において重要な役割を果たしていると考えられた。