著者
熊野 秀樹 菅野 恒雄 寺町 康昌 長橋 宏
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.46, pp.29-34, 1996-09-13
被引用文献数
3

我々は, 人間が顔を見て男女を識別するときの, 無意識に行う男女識別の過程を解析するために, 中心視の動きを詳しくとらえる装置が必要であると考える.従来, このような研究はアイカメラを用いて行われてきた.しかし, アイカメラでは有効視野に制限がないため周辺視を除いた中心視のみの動きを捉えることは困難であり, アイカメラの複雑な初期設定や被験者にかかる負担等を除くため, 本研究では, 制限した視野領域をマウス操作で動かすシステムを試作した.このシステムを用いて顔画像の男女識別に関する実験を行った結果、被験者の注視点が顔画像に向かって左側に偏るという結果が得られた.また, 識別過程の前半期において, 注視点を左眼周辺, 右眼周辺, 鼻, 口という順で動かす規則性が見られた.
著者
落合 昇 櫛引 理 松嶋 智子 寺町 康昌
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.86, no.9, pp.957-968, 2003-09-01
被引用文献数
39

光CDMAシステムの一つとして,EWO信号方式が提案されている.この方式は,1組のユーザに互いに直交する等重みの二つの符号語を割り当て,伝送情報に応じて一方を選択して拡散符号化に用いる方式である.基本的な光CDMA方式であるOOK信号方式と異なり,復号時のしきい値を動的に推定する必要がない点で優れている.EWO信号方式はOOCやPSCをシグネチャ符号とする非同期システムにおいて評価されており,その誤り率特性は適用する符号などによって多少異なるが,OOK信号方式に比べて大きな改善はなく,条件によっては劣ることが報告されている.本論文では,EWO信号方式を同期システムに適用した場合の誤り率特性を評価する.シグネチャ符号としてはMPSCを用い,他チャネル干渉以外の雑音要因を無視できる理想的なリンクを仮定し,解析的な評価及び計算機シミュレーションを行った.その結果,EWO信号方式はOOK信号方式に比べて非常に優れた誤り率特性をもつことが示された.特に,符号語の各ユーザヘの割当てを工夫することにより,EWO信号方式は多重者数にかかわらず誤り率が常に0となるという結果が得られた.