著者
寺﨑 新一郎
出版者
日本商業学会
雑誌
JSMDレビュー (ISSN:24327174)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.25-32, 2017 (Released:2019-10-29)
参考文献数
55

本研究の目的は急速かつ不可逆的なグローバル化に起因する,外国に対する肯定的な消費者態度を社会的同一性理論に基づき整理した上で,消費者行動研究にとって有用な消費者アフィニティ,消費者世界志向,消費者コスモポリタニズムに焦点を当てレビューすることである。レビューの結果,セグメントの特徴,各態度が単独で消費者反応にもたらす効果に関する先行研究が多くみられること,他の理論との複合的な効果や,製品ではなくサービスを対象とした研究は限られていることなどが明らかになった。また,外国に対する肯定的な態度を,否定的なそれと分けて考えるのではなく,統合的に捉えることで,この研究領域に新しい理論的貢献が期待できることが示唆された。