著者
将積 祝子 高柳 博次 阿南 豊正 池ケ谷 賢次郎
出版者
Japanese Society of Tea Science and Technology
雑誌
茶業研究報告 (ISSN:03666190)
巻号頁・発行日
vol.1984, no.60, pp.59-65, 1984-12-01 (Released:2009-07-31)
参考文献数
11
被引用文献数
5

中国茶の白茶(Bai-cha),黄茶(Huang-cha),青茶(Quing-cha:Ooiong-cha-type)および黒茶(Hei-cha)の化学成分,色およびし好調査を行った。その結果を要約するとつぎのとおりである。1)一般化学成分含量は黄茶(Huang-cha)が煎茶の中級品に近く,白茶(Bai-cha)および青茶(Qing-cha)は煎茶の下級品に相当した。黒茶はバラエティに富み,蒸した後,堆積発酵するので,カテキン類酸化重合物が多く,各種成分が少なくなり,遊離アンモニアが多かった。2)白茶の色は暗オリーブ色,黄茶は淡黄色~オリーブ黄色,青茶はオリーブ黄色~黄褐色,黒茶は灰オリーブ~暗褐色であった。3)し好調査の結果は短大生に青茶が好まれ,消費者婦人団体は青茶は飲み易いとしてもそれほど好まなかった。料理専問家は白茶と青茶をとぎどきなら飲んでもよいと答えた。黒茶は料理専問家がまずいと答えた。終りに本稿を草するに当たり御懇切なる御稿閲を賜った製茶部長,竹尾忠一博士,アミノ酸・アマイド類の分析を担当して下さった天野いね氏に深甚なる謝意を表する。