著者
広野 卓蔵 末広 重二 古田 美佐夫 小出 馨
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
Papers in Meteorology and Geophysics (ISSN:0031126X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.323-339, 1968-10-25 (Released:2012-12-11)
参考文献数
4
被引用文献数
1 2

本研究は本邦の地震予知に関する研究の一環として,高感度地震計の市街地における地震観測方法の改善を最終目的としている。このため,気象庁が現用している電磁式地震計と同一性能の地中地震計を開発し,これを主として地盤の雑微動の実態を解明する目的で観測井(深さ200m)の掘削過程における各種深度面(10,20,50,100,150,200m)に設置して,それぞれ地上との同時比較観測を行った。本論文は観測資料の解析結果,また,地質調査資料について述べる。おもな帰結;(1) 高周波ノイズほど深さと共に減衰し,特に50mまでは著るしい。(2)0.5cps以下の低周波ノイズはほとんど減衰しない。(3) 周期1secの地震計による近地地震の観測を目的とする場合,50m程度の深さで著るしいSN比の改善が期待される。(4) 重錘落下や自動車の通過によるノイズは50mより深くなると問題にならない。
著者
小出 馨 西巻 仁 齋藤 隆哉 森内 麻水 佐藤 利英 植木 誠 浅沼 直樹
出版者
THE ACADEMY OF CLINICAL DENTISTRY
雑誌
日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学 (ISSN:13468111)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.298-303, 2001

一般に, 中心位は咬合採得や咬合調整を行ううえでの基準となる下顎位として知られているが, 開口筋や閉口筋のみならず表情筋の緊張もその位置に影響を及ぼす.そこで, 表情筋が中心位に及ぼす影響を検討する目的で, 被験者として顎口腔系に異常を認めない健常有歯顎者3名を選択し, 中心位から口角部を後方へ牽引した状態に表情筋を緊張させ, その際生じる顆頭位の変化をナソヘキサグラフを用いて測定し, 検討した.その結果, 表情筋の緊張により下顎位は後上方へ偏位する傾向を示した.
著者
齋藤 隆哉 小出 馨 浅沼 直樹 西巻 仁 植木 誠
出版者
Japan Prosthodontic Society
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.195-202, 2002-04-10
参考文献数
32
被引用文献数
1

目的: 咬合採得および咬合調整を行う際の基準となる筋肉位に対して, 表情筋の緊張が及ぼす影響を明らかにすることを目的として, 表情筋により口角を後方へ強く牽引したときの下顎の偏位を測定した.<BR>方法: 顎口腔系に機能異常を認めない被験者13名に座位で自然頭位をとらせ, アンテリアジグを装着し, 上下歯列の接触による影響を排除して実験を行った. 筋肉位で閉口した状態から口角を後方へ強く牽引したとき, その後さらにタッピングを行ったときの下顎の偏位を継続的に光学系非接触方式の三次元6自由度下顎運動測定装置であるナソヘキサグラフ®に改良を加えて測定し, 比較した.<BR>結果: 筋肉位と比較して口角牽引時には, 切歯点で後方へ平均0.18mm, 左側顆頭点で平均0.00mm, 右側顆頭点で後方へ平均0.04mmの偏位が認められ, 前後方向に大きなばらつきがみられた.筋肉位と比較して口角牽引状態でのタッピング時には, 切歯点で後方へ平均0.50mm, 左側顆頭点で後方へ平均0.25mm, 右側顆頭点で後方へ0.36mmの偏位が認められた.<BR>結論: 表情筋を緊張させることにより口角を後方へ強く牽引すると, 筋肉位に対して下顎は偏位を示し, 前後方向に大きなばらつきがみられた. 口角牽引状態でタッピングを行うと, 下顎は筋肉位より著明に後方へ偏位することが明らかとなった.
著者
五味渕 泰造 小出 馨 旗手 敏
出版者
Japan Prosthodontic Society
雑誌
日本補綴歯科學會雜誌 = The journal of the Japan Prosthodontic Society (ISSN:03895386)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.339-347, 2000-04-10
被引用文献数
12 1

The form of occlusion in denture wearers is an important factor for masticatory function in subjects with a denture. The masticatory performance was statistically compared between subjects by applying bilateral balanced lingualized occlusion (L.O.) and full balanced occlusion (F. B. O.) to study the effects on masticatory function. The subjects were 6 cases with an edentulous jaw (4 males and 2 females). Experimental foods were boiled fish-paste, peanut, and carrot. The trial was repeated 3 times for each of the 3 foods, with chewing at 10, 20, and 30 times respectively. One unit was determined as a 10 mesh screen. The results were as follows:<BR>1. For boiled fish-paste (soft or elastic food), F. B. O. showed a significantly higher masticatory performance at all chewing frequencies compared to L. O.<BR>2. For peanut (hard or crushable food), there was no significant difference in masticatory performance at all chewing frequencies and the form of occlusion.<BR>3. For carrot (hard or cut food), L. O. showed a significantly higher masticatory performance at 10 and 20 times chewing frequencies compared to F. B. O.<BR>It was suggested that L.O. is effective in masticating hard or cut food, and is the form of occlusion having a high cutting potential compared to F. B. O.