著者
田中 和夫 小原 重信
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
国際プロジェクト・プログラムマネジメント学会誌
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.111-120, 2006-12-10

90年中期以降10年にわたる建設需要の冷え込みによる経営環境の変化により、建設業界の建物所有者や事業者には、建築ビジネス全体を見直して新しい価値を機会創造に結びつけ推進する意識変化が芽生えてきた。このビジネス観は、建築物の価値評価において、短期の建設サイクルから全体ライフサイクルの視点で価値向上を図り、経営活動を強化する建設業のパラダイムシフトと解釈できる。本論は「建築価値の再認識」の視点から、リニューアルビジネス領域に焦点を絞り考察する。その基本的関心は、全体ライフサイクル視点のなかで多様な価値観を持つオーナーニーズをまず明らかにすることであり、それに呼応するコントラクターによる建築物のリニューアル、すなわち「サービスモデル」の開発能力に関する方法論である。
著者
小原 重信
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集 2018 春季 (ISSN:24320382)
巻号頁・発行日
pp.325-344, 2018 (Released:2018-04-16)
参考文献数
12

Society5.0を目指す社会プログラムは、その光と影が個人に与えるインパクトに留意が必要である。国民の関心は、多様なプラス成果の「幸福価値」に対する期待である。P2Mプログラムガバナンスは、国民の参加を促進するために、広くステークホルダーを巻き込める社会共感が重要である。「プログラムベース訓練法」は、思考から行動に奨励するために、 メンタル相談型プロセスをデザインした。この手法は多様な個人が潜在能力の意識を高め、障壁を超え主体的な自信を深める狙いがある。小規模実験では時間、コスト、キャリア認識の障壁低減し、P2Mプログラムガバナンスの意義を共有することができた。
著者
小原 重信
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.1-20, 2013

経済逆境の中でも多数の独創企業が高業績を誇る。その共通属性を探ると持続的努力による次世代ビジネスモデルが浮上し、その実績は進化形跡により追証される。本論では主に綜合商社の歴史的モデルを調査し、モデルリニューアルにP2M視点を適用して、その価値創造機構と要素を分析する。その結果、13のクロスインテグレーション重要要素が、組織全体の設計、行動、効果に検出された。特にその相乗効果は、事業創造、組織活性化、財務指標に及び業績向上に対する教示が大きい。
著者
小原 重信
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.1-18, 2014

2004年にWeb2.0が登場し個人レベルで、ICTコンテンツやツールプロバイダーとグローバルにアクセスできるオープンプラットフォームを提供した。その結果、ネットサービス社会が実現して、若い起業家はネット通販、ゲーム、電子取引などに新ビジネスに進出して急成長している。P2Mユーザーは、新事業創造や開発事業にスマホ経済のネットワーク効果や三次元プリンター技術を反映した「アーキテクチャ・マネジメント」に実践方法論を期待している。その理由は、価値創造に独自ソリューションを産み出すモデリング手法が適用できるからである。そのポイントは、戦略ミッションから集合知を引き出すソリューションの文書化と実務的なプロセスフローである。
著者
小原 重信
出版者
一般社団法人 国際P2M学会
雑誌
国際P2M学会誌
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.79-97, 2012

わが国のプロジェクトビジネス産業は、国内市場の成熟化と海外市場における新興国との競争に直面し、差別化と高度化が求められている。マルチ・ステークホルダー間の潜在的なコンフリクトは、グローバリゼーションとローカリゼーションの取引要件に対応する切迫したマネジメント課題である。利害対立、異文化、プロセス活動で発生する多次元コンフリクトは、プロジェクトマネジャーに過大な調整負担と心理圧迫を与えている。その結果コンフリクト回避行動が、次第に顕在化し信頼リスクを増加させている。本論は、看過されてきた実態を解明により、調査モデルを考案して領域発生率、個別感度、心理インパクトを分析した。その意図は、コアコンピテンスの再設計の鍵要素を探求し、プログラムカンパニーのアジェンダ探索にある。
著者
田中 和夫 小原 重信
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.230-240, 2006-05-12

長引く建設需要の冷え込みの中で近年大きな変化が出てきている。それは建物所有者や事業者を取り巻く経営環境が大きく変化したことで、建物に対する新しい価値を見出そうとする意識がそこに芽生えたものだと思われる。つまりそれは建物を一つの経営資源として捉える視点のことであるが、その背景には建物自体の価値をより高く維持することに一層の経営努力を払っていく経営者の姿が理解できる。そこで本論文のテーマは、"建物価値の再認識"という建築リニューアルの領域を、建物所有者がリニューアルに求める価値とは一体何か、またどのようにその価値は創出されるのかを建築のライフサイクルを考えることで、多様な価値観を見せるリニューアルの領域にどのようなサービスモデルが築けるのかを考察するものである。