著者
門間 美千子 矢ヶ崎 和弘
出版者
農林省食品総合研究所
雑誌
食品総合研究所研究報告 (ISSN:03019780)
巻号頁・発行日
no.70, pp.13-17, 2006-03

豆腐ゲルの形成においてタンパク質ジスルフィド結合の解裂再会合は重要な役割を果たしている。これまでに蛍光色素標識法を用い、11Sグロブリンのジスルフィド結合とグルコノデルタラクトン凝固充填豆腐の破断応力との相関関係を示した。本研究では、凝固剤として塩化マグネシウムとにがりを使用し、11Sグロブリン変異大豆系統を用いて、ジスルフィド結合蛍光色素標識による豆腐物性予測の可能性を検討した。実験に用いた8系統の大豆のうち6系統で、にがりでの凝固性が高い傾向が認められた。塩化マグネシウム凝固豆腐ではジスルフィド蛍光標識強度と豆腐の破断応力に有意な相関はなかったが、にがり凝固豆腐では11Sグロブリン酸性および塩基性ポリペプチドの蛍光標識強度と豆腐破断応力の間に、相関係数0.83および0.86(P
著者
門間 美千子 齋藤 昌義 千国 幸一 斎尾 恭子
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.12, pp.938-942, 2000-12-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
23
被引用文献数
2 2

米胚乳部の主要な貯蔵タンパク質であるプロラミンは層状の堅固な構造をもつ難消化性のプロテインボディに蓄積される.本研究では,胚乳に含まれる貯蔵タンパク質の組成や,そのうちのプロラミンのポリペプチド組成がPB-Iの構造に与える影響を検討するために,貯蔵タンパク質組成の異なる変異体米の胚乳組織の微細構造を透過型電子顕微鏡で観察した.プロラミン組成の変異体のうち,esp-1(13kd-b減少変異体)の組織構造およびPB-Iの構造は,これまでに報告した通常の米とほぼ同様であった.しかし,esp-3(13kd-a,10kd減少変異体)では,PB-Iの層状構造の密度が低く,輪郭が不明瞭であり,Esp-4(10kd,16kdプロラミン増加変異体)では,高密度の層状構造をもったPB-Iが数多く観察された.これらPB-I構造の差異は,プロラミン構成ポリペプチドに含まれるシステイン含量の変動によると推定された.一方,グルテリン増加変異体の胚乳細胞では,PB-Iと見られる顆粒は,小型で層状構造もほとんど観察されず,グルテリンの増加が,PB-Iの形成に影響を与えることが示唆された.
著者
千国 幸一 長妻 常人 田畑 利幸 門間 美千子 斎藤 昌義 小沢 忍 小堤 恭平
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.340-346, 1994
被引用文献数
6 1

ウシの成長ホルモンは127番目のアミノ酸でLeu/Valの多型が存在する.この多型の原因となる塩基配列の違いを決定するため,黒毛和種,ホルスタイン種,ヘレフォード種,アバーデンアンガス種から成長ホルモン遺伝子のイントロン4とエキソン5を含む652bpの領域をPCRによって増幅し,塩基配列を決定した.その結果,127番目のアミノ酸に対するコドンはA型(Leu)がCTG,B型(Val)がGTGで,1塩基の違いによる多型であることが明らかとなった.黒毛和種においてはさらに,別の部位で新たな多型が認められた.この変異は172番アミノ酸のコドンがACGからATG(C型)となるもので,コードしているアミノ酸はThrからMetに変化する.上記の4品種と褐毛和種について,Alu I切断とドットハイブリダイゼイションを用い遺伝子型を決定した結果,黒毛和種と褐毛和種にはA型(Leu<sup>127</sup>,Thr<sup>172</sup>),B型(Val<sup>127</sup>,Thr<sup>172</sup>),C型(Val<sup>127</sup>,Met<sup>172</sup>)の3種が存在し,分析したホルスタイン種,ヘレフォード種,アバーデンアンガス種には,C型が認められなかった.これらのことから,C型遺伝子は黒毛和種と褐毛和種の共通祖先のB型遺伝子に生じた変異であると考えられた.遺伝子頻度は59頭の黒毛和種で0.500(A),0.144(B),0.356(C)であった.これらの遺伝子型と枝肉形質との間に明確な関連は認められなかった.