著者
新城 俊也 宮城 調勝 小宮 康明 島袋 進
出版者
琉球大学
雑誌
琉球大学農学部学術報告 (ISSN:03704246)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.183-190, 1990-12-05

3種類のさんご砂について排水せん断試験を実施した。結果を要約すると次のようである。1) さんご砂はさんご,貝類,石灰藻,有孔虫,うになどのさんご礁に棲息する生物の石灰質遺骸であり,場所によって粒度,粒形などの粒子特性が異なるが,炭酸カルシウム含有量が95%以上の石灰質砂である。2) 同じ相対密度でも砂ごとに密度に差があり,大きな間隙を形成する砂は緩詰め砂に類似した挙動,また小さな間隙を形成する砂は密詰め砂に類似した挙動を示し,応力∿ひずみ挙動は粒子特性によって決まる間隙比の大きさに支配される。3) 同じ相対密度でも大きい間隙比を形成する砂はせん断過程での粒子破砕が顕著であり,粒子破砕はダイレイタンシーなどの変形挙動に影響を及ぼす。4) 粒子破砕は側圧による強度増加の割合を減少させ,強度特性にも影響を及ぼす。5) 排水ヤング率E'は拘束圧σ'_cの増加とともに増大し,これらは式(3)の関係で表せる。一方ポアソン比νは拘束圧の増加に伴って減少し,これらは式(4)の関係で近似できる。
著者
福澤 康典 川満 芳信 小宮 康明 上野 正実
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.54-60, 2008-01-05
被引用文献数
1

サトウキビの初期の生長速度は他のC_4植物に比べて遅く,糖収量及び原料茎重を上げるためにはその改善が重要である.本研究では,サトウキビ属(Saccharum spp. Hybrid,S. edule)及び近縁種(Erianthus spp.,Pennisetum purpureum)を用いて極初期の生長の支配要因について検討した.調査は発芽後,2ヶ月目と本葉が7枚出るまでの2種類の時期に着目して行った.2ヶ月目の植物体を比べた場合,サトウキビ雑種KRSp93-30の茎乾物重及び葉面積は高く,茎根数の割合も高かった.しかし,葉位を7枚に固定して比較した場合,KRSp93-30における茎根数の割合は他の系統とほぼ同じであった.生育初期におけるKRSp93-30の効率的な生長は早い出葉速度と高い純同化率によってもたらされるものと考えられる.