著者
小山 次郎
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.182-183, 1988-02-01
著者
久保 周一郎 八木 康一 小山 次郎 広瀬 恒夫 高橋 迪雄 伊沢 久夫
出版者
北海道大学
雑誌
総合研究(B)
巻号頁・発行日
1987

獣医学は本来,総ゆる動物に係る医学である. 今日の獣医学は幾多の曲析を経て多くの学際領域をもつ. このことは獣医学の多様性と表現され,多様化の傾向は諸外国に比ベ我が国で著しい. 本研究の目的は,獣医学の在り方について獣医学およびその関連領域の研究者が議論し,21世紀に対応できる獣医学の未来像を構築することである. このため,検討すベき領域および分担者を以下のように決め,各領域から見た獣医学の内容を調査分析し,その成果を昭和62年8月25日北海道大学学術交流会館において全国から参集した獣医学会員(約350名)を対象に公開シンポジウムを開催した. 1.久保,伊沢班員(北大・獣),高橋班員(東大・農),広瀬班員が(帯畜大)は獣医学の現状を分析し,比較医学および比較生物学としての獣医学および臨床分野における高度情報化システムの確立の重要性を強調した. 2.深沢利行班員(九大・農),羽田野六男班員(北大・水産),八木班員(北大・理)は動物性タンパク質確保とその生産動物の疾病防除に関し,畜産学・水産学および獣医学の研究組織の連帯の確立を指摘した. 3.日高敏隆班員(京大・理)は伴侶動物および産業動物の精神衛生について動物行動学の関与の必要性を強調した. 4.加藤巌班員(千葉大・医),小山班員(北大・薬)は実験動物あるいは動物実験の分野の発展に対する獣医学のより一層の貢献を要望した. 5.伊藤浩司班員(北大大学院環境科学)は環境科学および生態学の立場から獣医学における動物の生命倫理の確立を提案した. 6.葛西道生班員(大阪大・基礎工)は21世紀の獣医学の発展のため,獣医学領域における生物工学の研究体制の早期確立を強調した.以上の成果を総合し, その詳細を昭和62年度科学研究費総合研究(B)成果報告書(様式1, 冊子)に紹介すべく準備中である.