著者
高橋 迪雄
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.202-205, 1987-09-25 (Released:2009-05-25)
参考文献数
7

Estrous cycle which is observed in non-pregnant mammalian females and composed of follicular, ovulatory and luteal phases can be designated as short circuit of complete reproductive cycle, since estrous cycle is devoid of most time-consuming phases of both pregnancy and lactation. Different patterns of estrous cycle correspond to the ecological status.
著者
稲葉 睦 松木 直章 土居 邦雄 高橋 迪雄 高桑 雄一 長谷川 篤彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

赤血球の主要膜内在性蛋白質であるバンド3は、従来、生命推持に必須とされてきた。本研究は、黒毛和種牛の遺伝性バンド3欠損症における知見をもとに、この定説の妥当性を検討し、代償機構を解明することを目的とする。得られた成果の概要は以下のとおりである。1)遺伝子型と赤血球表現型との解析により原因遺伝子異常がR664X変異であること、本疾患が優性遺伝形式をとることを実証した。2)赤血球膜病態の解析に基づき、ホモ接合型とヘテロ接合型の赤血球球状化機序が異なること、即ち、前者ではバンド3-アンキリンースペクトリン間結合の消失が、後者では変異バンド3のドミナント・ネガティプ作用によるバンド3減少がそれぞれ球状化の原因となることを示した。これらの知見から膜骨格の形成とバンド3の生合成とが独立した現象であり、バンド3は膜骨格形成には不要であるが、その後の膜安定化に必須であることを提唱した。3)バンド3完全欠損赤血球には本来は前駆細胞のみにみられるバンド3の構造類似体AE2によるアニオン輸送能が存在することを解明した。さらに、迅速なアニオン輪送は全く代償さえておらず、バンド3によるアニオン輪送は平常時のガス交換に必須の要索ではないことを実証した。
著者
久保 周一郎 八木 康一 小山 次郎 広瀬 恒夫 高橋 迪雄 伊沢 久夫
出版者
北海道大学
雑誌
総合研究(B)
巻号頁・発行日
1987

獣医学は本来,総ゆる動物に係る医学である. 今日の獣医学は幾多の曲析を経て多くの学際領域をもつ. このことは獣医学の多様性と表現され,多様化の傾向は諸外国に比ベ我が国で著しい. 本研究の目的は,獣医学の在り方について獣医学およびその関連領域の研究者が議論し,21世紀に対応できる獣医学の未来像を構築することである. このため,検討すベき領域および分担者を以下のように決め,各領域から見た獣医学の内容を調査分析し,その成果を昭和62年8月25日北海道大学学術交流会館において全国から参集した獣医学会員(約350名)を対象に公開シンポジウムを開催した. 1.久保,伊沢班員(北大・獣),高橋班員(東大・農),広瀬班員が(帯畜大)は獣医学の現状を分析し,比較医学および比較生物学としての獣医学および臨床分野における高度情報化システムの確立の重要性を強調した. 2.深沢利行班員(九大・農),羽田野六男班員(北大・水産),八木班員(北大・理)は動物性タンパク質確保とその生産動物の疾病防除に関し,畜産学・水産学および獣医学の研究組織の連帯の確立を指摘した. 3.日高敏隆班員(京大・理)は伴侶動物および産業動物の精神衛生について動物行動学の関与の必要性を強調した. 4.加藤巌班員(千葉大・医),小山班員(北大・薬)は実験動物あるいは動物実験の分野の発展に対する獣医学のより一層の貢献を要望した. 5.伊藤浩司班員(北大大学院環境科学)は環境科学および生態学の立場から獣医学における動物の生命倫理の確立を提案した. 6.葛西道生班員(大阪大・基礎工)は21世紀の獣医学の発展のため,獣医学領域における生物工学の研究体制の早期確立を強調した.以上の成果を総合し, その詳細を昭和62年度科学研究費総合研究(B)成果報告書(様式1, 冊子)に紹介すべく準備中である.
著者
山内 啓太郎 吉田 真太郎 長谷川 晃久 池田 明弘 張 奎泰 松山 茂実 西原 真杉 宮澤 清志 高橋 迪雄
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.905-909, 1995-10-15
被引用文献数
5

ウマ卵巣より作出したcDNAライブラリーより, ウマインヒビンαサブユニット前駆タンパク質をコードするcDNAを単離した. ラットインヒビンαサブユニットcDNAの配列を基にプライマーを設計し, ラット卵巣RNAを用いたRT-PCR法によりスクリーニング用のプローブを作製した. 1.2×10^5個のプラークより19個の陽性クローンが得られた. そのうちの一つ(Eq-α-11)は, 367個のアミノ酸をコードする完全長のタンパク質翻訳領域を含んでいることが確認された. cDNAの塩基配列より推定されるウマインヒビンαサブユニット前駆タンパク質及び成熟タンパク質のアミノ酸配列は他の6種類の哺乳動物 (ウシ, ブタ, ヒツジ, ヒト, ラット, マウス) のものと比較して80%以上の相同性を有していた. ノーザンブロット法によりウマ卵胞及び精巣に存在するインヒビンαサブユニットmRNAのサイズは1.5 kbであることが判明した.