著者
小島 純一
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

表形形質(成虫、幼虫形態、巣構造)ならびにDNAシークエンスデータを用いて解析して得た、ハラホソバチ亜科の分岐図上に巣構造ならびに社会行動の形質をプロットし、最適化解析を行なったところ、次のことが示された。(1)巣材として植物繊維を使用するのが祖先的であり、Liostenogasterの一部の種で泥の使用が進化した。(2)アリの攻撃への防御として、巣基部の傘状の構造物が祖先的であり、粘性の分泌物の使用、外被の構築が独立に進化した。(3)Eustenogasterにおける外被構築の進化に伴って、ワーカーを欠き、巣内の成虫は創設メス単独という生活史が二次的に生じた。
著者
土田 浩治 小島 純一 工藤 起来
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

日本から侵入したと考えられてきたニュージーランドのフタモンアシナガバチの遺伝的多様性を、日本の個体群の遺伝的多様性と比較した。比較した部位は、ミトコンドリアのCOI 領域である。全個体群からは26ハプロタイプが見つかり、そのうち、日本からは16ハプロタイプが、ニュージーランドからは19ハプロタイプが見つかった。両個体群に共通したのは9ハプロタイプのみであり、日本以外の地域からの侵入が有ったことが示唆された。