著者
土田 浩治 小島 純一 工藤 起来
出版者
岐阜大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

日本から侵入したと考えられてきたニュージーランドのフタモンアシナガバチの遺伝的多様性を、日本の個体群の遺伝的多様性と比較した。比較した部位は、ミトコンドリアのCOI 領域である。全個体群からは26ハプロタイプが見つかり、そのうち、日本からは16ハプロタイプが、ニュージーランドからは19ハプロタイプが見つかった。両個体群に共通したのは9ハプロタイプのみであり、日本以外の地域からの侵入が有ったことが示唆された。
著者
韋 秉興 桜井 宏紀 土田 浩治
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.117-121, 2001 (Released:2003-03-25)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

Development of artificial diets was studied for larvae and adults of the alfalfa weevil, Hypera postica Gyllenhal. The artificial diets for larvae and adults were used for 3–4 days without replacement, and preserved 2 months without decay at 4°C. The rate of adult emergence reached 14.6% on the larval diet, but was significantly lower than that of control diet (fresh alfalfa leaf). The adults fed actively and oviposited well on the adult diet with no significant difference in the number of eggs deposited and their hatchability between females on artificial and control diets. We successfully reared through two generations with the artificial diets for larvae and adults.
著者
米田 昌浩 土田 浩治 五箇 公一
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.47-62, 2008-05-25
被引用文献数
1 7

2006年9月1日、セイヨウオオマルハナバチ(以下、セイヨウ)は、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(以下、外来生物法)」により、特定外来生物に指定された。この法律に基づき、施設栽培農家はセイヨウを使用するためには、環境大臣の許可を受ける必要があり、使用に際して、ハチが施設から逃亡しないようにネットを展帳することと、使用後に巣箱を処分することが義務付けられることとなった。一方で、この指定に伴い、在来種を商品化したクロマルハナバチ(以下、クロマル)への代替が進んでいる。本論では、まずセイヨウが導入された当時の状況および生態系に悪影響を及ぼすと判定された背景について詳しく解説したい。その後、代替種として利用されている商品クロマルが自然個体群と異質な集団であるという前提条件の下で、セイヨウの生態影響評価と同様の観点から、増殖された商品が日本国内において分布の攪乱や遺伝的多様性に与える影響の評価を試みたい。リスク。