著者
伊福 美佐 小川 昭二郎
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
生活工学研究
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.82-85, 1999

キナクリドンは今世紀の初頭からLiebermannらドイツの科学者によって研究された物質であるが,アメリカのDu Pont社でフタロシアニン顔料に匹敵する優れた赤色顔料としての真価が見いだされ,にわかに注目を浴びてきた化合物である.近年では,着色材としての利用に関する研究だけでなく,機能性開発に関する研究もなされている.本稿では,キナクリドン顔料(線形トランスキナクリドン)の構造,物性,用途等についてまとめた.