著者
高橋 亮太郎 奥村 健二 大山 智鈴 小川 晃子 大野 正弘 浅野 美樹 田口 宣子 鈴木 正之 池田 信男 室原 豊明
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.277-284, 2012 (Released:2013-09-01)
参考文献数
27

近年、血管内皮機能を非侵襲的に指尖で測定できるreactive hyperemia peripheral arterial tonometry (RH-PAT) が開発された。本研究で我々は、人間ドック受診者を対象にRH-PATを用いた血管内皮機能測定について検討した。当院の2日ドック受診者で脳心血管病の既往がなく投薬を受けていない男性120名(平均年齢53±9歳)を対象とし、2日ドックの検査項目に加え、アポリポ蛋白B100、空腹時インスリン、高感度CRPなどを測定した。また、上腕駆血開放後の動脈拡張反応を指尖容積脈波として検出するreactive hyperemia index (RHI) をEndo-PAT2000を用いて自動計測し、血管内皮機能とした。全例で所要時間30分でRHIの測定が可能であった。RHIの平均値は1.76±0.41あり、RHIは年齢、心拍数、HbA1c、アポリポ蛋白B100、総コレステロール、LDLコレステロール、non HDL コレステロールと有意な負の相関を示した。喫煙歴(packyears)と空腹時血糖値はRHIと有意には至らないものの負の相関の傾向がみられた。RHIを従属変数としたステップワイズ重回帰分析では年齢、LDLコレステロール、心拍数がRHIの独立した規定因子であることが示された。本研究の結果より、人間ドック受診者においてRH-PATを用いて測定した血管内皮機能は心血管病の危険因子との相関がみられ、初期動脈硬化のサロゲートマーカーとしての可能性が確認された。
著者
小川 晃子 Ogawa Akiko オガワ アキコ
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室
雑誌
対人社会心理学研究 (ISSN:13462857)
巻号頁・発行日
no.4, pp.21-30, 2004

本研究は、電子コミュニティの援助的な機能に着目し、自助グループにおける援助的な機能の成立状況を明らかにすることを目的としている。高齢者の家族介護者に対する支援を意図して開設されたWWW掲示板を事例とし、44ヶ月に及ぶ7,162件の書き込み記録を分析した。その結果、電子コミュニティにおいては、構成員の同質性に基づく共感的な書き込みにより、帰属意識の強いコミュニティが形成されることが明らかになった。電子コミュニティにおける援助行動は、仮想チームともいえる協働関係で提供されることが多く、情緒的援助にとどまらず対面的な関係を伴う手段的援助に及ぶ場合もあり、自助グループを電子コミュニティで形成することの効果が明らかになった。しかし、オフ会という対面的なコミュニケーション機会が、CMCで成立している電子コミュニティの異質性を高め、このコミュニティの崩壊をもたらす危険性をもっていることも、電子コミュニティの崩壊過程の分析により示唆された。
著者
小川 晃子
出版者
岩手県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

過疎化・高齢化の進展する地域におけるICT(情報通信技術)を活用した高齢者見守りシステムの効果を、地域連携によるアクションリサーチを行いながら実証的に検証した。電話機で高齢者が能動的に発信するいわゆる「おげんき発信は、センサーなどの受動型安否確認システムや緊急通報システムに比較し、高齢者の遠慮感に配慮し、安否確認の確実性が高いことが明らかになった