著者
津田 恭充 ツダ ヒサミツ Tsuda Hisamitsu
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室
雑誌
対人社会心理学研究 (ISSN:13462857)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.71-76, 2015

これまでの研究で,曖昧さに対する非耐性がパラノイアの素因であることが示唆されている。曖昧さに対する態度には、従来から議論されているネガティブな態度以外にポジティブな態度も存在するが、後者についてはパラノイアとの関連がまだ明らかでない。そこで本研究では,大学生197名を対象に、曖昧さに対するいかなる態度がパラノイアの素因となりうるのかについて検討を行った。パラノイアの指標として、青年期によくみられるパラノイア的な自己関係づけを測定し、曖昧さへの態度を「曖昧さの享受」、「曖昧さの受容」、「曖昧さへの不安」、「曖昧さの統制」、「曖昧さの排除」の5つの側面から測定した。構造方程式モデリングの結果,曖昧な事態に対して不安を覚える「曖昧さへの不安」や、情報収集などによって曖昧さを統制しようとする「曖昧さの統制」がパラノイアと関連していることがわかった。これは、曖昧さに対するネガティブな態度がパラノイアの素因であるという先行研究と一致する結果であった。
著者
釘原 直樹 クギハラ ナオキ Kugihara Naoki
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科社会心理学研究室
雑誌
対人社会心理学研究 (ISSN:13462857)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-6, 2015-03-31

災害や緊急事態の人間行動に関する研究結果は人々の一般的イメージ(パニックや反社会的行動の発生)とは異なる。実証的研究データの多くが、人は緊急事態では人間関係や社会規範に基づいた順社会的行動をすることを示している。ここでは、実証的研究の結果に基づき危機事態の行動や意思決定について述べることにする。
著者
釘原 直樹 クギハラ ナオキ Kugihara Naoki
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科対人社会心理学研究室
雑誌
対人社会心理学研究 (ISSN:13462857)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-15, 2014

スケープゴーティングとは、何らかのネカティブな事象が生起、あるいは生起が予見されている際に、事態発生や拡大・悪化に関する因果関係・責任主体が不明確な段階で、原因や責任をある対象に帰属したり、その対象を非難することが、一定の集合的広がりをもって行われることである。また因果関係の枠外にある対象に対する責任帰属や非難、そしてそのような認知や行為が共有化されていくプロセスもスケープゴーティングに含める。このスケープゴーティングにおいて、対象となるものをスケープゴートと呼ぶ。ここでは、スケープゴーテイングの発生プロセスに関するモデルを構成し、さらにスケープゴーティングを促進するマスメディアの報道特性やスケーフゴートの時間経過による変遷プロセス(波紋モデル)について述べる。