- 著者
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小松 文子
高木 大資
松本 勉
- 雑誌
- 情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.9, pp.1711-1725, 2010-09-15
情報セキュリティ対策は,安全なネットワークを使用するうえで必須である.これまで情報セキュリティ対策は,技術対策と組織などのマネジメントの局面から推進されてきたが,実行主体である利用者の実行がともなわないという現象が見られる.これを解決するためには,個人の意思決定のメカニズムを明らかにすることが有効であると考えられる.本研究では,情報セキュリティ対策を必要とするネットワークを社会的ジレンマ状況ととらえ,利得構造と個人の認知構造について実証調査分析をした.この結果,利得構造では,協力率が低い状況を説明できず,認知構造の調査では,社会的ジレンマ状況であることを支持する結果は得られなかった.しかし,利得構造は対策実行意図と整合し,また認知構造では特定の要素が実行意図へ影響を与えていることが分かったので報告する.